“質問しない力”を身につけたい――Biz.ID Weekly Top10

米FileMakerの社長にインタビューしたときのこと。社長の話の中に、筆者の知らない名前が出てきた。

» 2009年01月15日 19時00分 公開
[杉本吏,ITmedia]

 3連休を挟んだ先週のアクセスランキングは、7位に米FileMakerのドミニク・グピール社長へのインタビュー記事がランクイン。記事には書かなかったが、インタビュー中にグピール社長は、「Bento」(個人向けデータベースソフト)を使っている人の身近な事例として、知人の大学教授の話をしてくれた。

 「彼はデューク・エリントンの大変なファンでね。同じ曲のレコーディング違いをいくつも入手しては、Bentoを使って管理しているんだよ。年代ごとに聴き比べては、『この時期のレコーディングの特徴はこうだ!』なんて分析したりしてね」

 ほうほう、あのデューク・エリントンを。なるほどなるほどー。……みたいな顔をして聞いていた筆者だが、実は心の中で「デューク・エリントンって誰だろう」と考えていた。話の内容からするとどうやら音楽家のようだが、はっきりとは分からない。

 こういうときは思いきってその場で質問してしまうか、最後までそこには触れずに通すかしかない。中途半端なタイミングで質問するのが1番気まずいからだ。この場合、エリントンさんは話の本筋には関係ありそうもない。いらぬ質問をして話の腰を折るのも嫌だと思い、今回は黙っておくことに決めた。その後は再びエリントンさんが話に登場することもなく、グピール社長と握手をしてインタビューは無事終わった。

 あのとき、「あいにく、ぼくはデュークは東郷更家しか知らないのですが……」などと口走らなくてよかったぜ、と思いつつも、「実はグピール社長が東郷(もしくは更家)の大ファンで、そこから予想外に話が弾んで――」という可能性も捨てきれないなあ、などとウダウダ考えながら、答が出ないまま帰ってきた筆者。「質問しない力」を考えることも、「質問力」をつけるためには重要だよなあ――と痛感しながら、今日も人に質問をぶつけ続ける筆者であった。

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