4月は新しい出会いの季節。新入社員だけでなくいろいろな場面で自己紹介の場面があるはずです。この自己紹介、やり方によってはもっと確実に名前を覚えてもらえる方法があるのです。
4月に入って年度が替わり、新しい部署に配属された方も沢山いらっしゃることでしょう。また、新入社員や転職者など、まったく新しい環境にこの4月から飛び込む、という人も多いと思います。
そこで必ずついて回るのは、自己紹介。これが苦手だという人も多いようで、毎年この季節になると、自己紹介に頭を悩ませる人が増えるようです。「人を動かす話し方講座」連載の初回となる今回は、自分の名前をきちんと覚えてもらえるような自己紹介の方法を考えてみたいと思います。
名前を覚えてもらう自己紹介法をお話しする前に、なぜ人は自己紹介で名前を覚えてもらえないのかについて考えてみましょう。もし、あなたが、まったく見ず知らずの人から、1分間の自己紹介を聞かされると想像して下さい。
目の前に現れた人は、「初めまして。私は○○と申します。私は〜」と話し始めました。この段階で、おそらくあなたはこの人にさほどの興味も示していないでしょう。なにせ、まったく知らない人なのですから。
その後、簡単に彼の趣味や性格などが話されました。なるほど、そういう趣味や性格なんだな、とあなたは聞いています。人柄も何となく分かり、親近感も多少はわいたことにしましょう。そして最後に、その人は、「以上、ご静聴ありがとうございました」と話し終えました。
さて、あなたはその人に対して、名前を呼びかけられるでしょうか。多分無理でしょう。なぜなら、この人は、名前を最初しか名乗っていなかったからです。それはつまり、
ということになるのです。
実は自己紹介をする時に、聞き手の人たちが常に関心を持って聞いてくれるというのは、大きな間違いなのです。なぜなら、その人に対しての情報がなさ過ぎるために、あなたのどこに関心を寄せて良いのか分からないからなんですよね。
しかし、自分のことを話していくうちに、何となくその人が分かってくると、徐々に関心を寄せ始めるようになるのです。そして、おそらくその人に対しての関心が最大限になる時が、「自己紹介を話し終えた時」なのです。つまり、自分の名前を名乗る、一番のタイミングは、その
が一番ベストなタイミングな訳です。つまり、自己紹介でこれを当てはめるのならば、
だけで名前を覚えてもらう可能性が、ぐんと大きくなるんですね。最初に名乗るのは礼儀として行い、覚えてもらうために最後にもう一度名乗る。これを意識してやるだけで、あなたの人からの覚えは、格段に良くなるのです。
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