自己アピールの秘けつは、あえて自分を“売り込まない”こと人を動かす話し方講座(2/2 ページ)

» 2009年06月29日 14時50分 公開
[水野浩志,Business Media 誠]
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テクニック:人と接するときに常に自分に言い聞かせるキーワード

 自己アピールが先天的にうまい人は、人と話していても、あっという間にその場の空気を作り、流れを誘導しながら、みんなをもり立てて行きつつ自分でも言いたいことを言う、ということをやってしまいます。

 でも、これは普通の人には絶対にまねのできないこと。まねしようと思っても、その人のオーラや性格など、とても簡単に盗めるようなものではないんですよね。

 私は、40歳手前まではうまい自己アピールができず、なかなか人に認められずにいました。そんな中で、今はそれなりに自己アピールもできるようになってきたということで、私なりの自己アピール向上の心がけをお話ししておきますね。

 私の場合、人と会ったらとにかく

 この人が求めていることって何だろうか


 ということを、ずっと心の真ん中において話すようにしていました。具体的には、次の4つのキーワードを、心の中で唱えながら、人と話をしているのです。

  • この人は、何に困っているのか
  • この人は、どんなことに喜びを感じるのか
  • この人は、何をしたいと思っているのか
  • この人は、どんなものが好きなのか

 こうしたキーワードを唱えつつ、その人求めているものにどんなものがあるのかな、ということを意識しながら話をしているんです。

 そうしていると、最初はよく分からなかった相手が求めることも、だんだん分かってくるようになったんですね。そうやって相手の求めていることが分かったら、その人の役に立てそうな、自分の経験や実績を嫌みにならないように伝えていく――。そんな訓練を重ねていくうちに、次第に人が私の話を聞いてくれるようになってきたのです。交流会のようなところで名刺交換をするだけで、仕事がとれるようになるなど、ビジネスの方にもいい成果が出てくるようになったのでした。

 相手の今の気持ちや考えに、自分の意識をフォーカスする訓練と、そこで分かった相手のニーズに対して、相手の役に立てる自分の強みをすぐに提示できる準備。この両方がそろって、初めて成果の出る自己アピールができるようになるのです。

 自分の強みばかりを伝えようとしていた人は、ぜひ相手の求めることにフォーカスする癖を身に付けてくださいね。

著者紹介 水野浩志(みずの・ひろし)

 マイルストーン代表取締役。「社会に活き活きと働く大人たちを生み出す」をスローガンに掲げ、リーダーシップやモチベーション創造、自己表現力養成をテーマにした企業研修や公開セミナーを実施。また研修・セミナー講師向けに、具体的な成果を生み出す効果的なカリキュラムの構築手法や講師としてのマインド、人間力創りの指導も行っている。現在、日刊(平日)で、メールマガジン「1回3分でレベルアップ! 相手の心を掴むトーク術」を発行中。


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