筆者はずっとIEを愛用している。でも最近肩身が狭い。そんなとき「Operaを知っていただこう」という誘惑めいたメールが届いた。
筆者はIE(Internet Explorer)ユーザーだ。周りからは「なんでずっとIEなの?」「使いづらくないの?」「ほかのブラウザ使えばいいのに」と助言されることも多い。確かにWeb閲覧速度は遅いし、使いづらいなと感じることも少なくない。何度か浮気はしたことはあるものの、ちょっと使いづらいくらいがかわいいなんて言いつつ、どうしてもIEに戻ってしまう。
IEを使い続ける理由は主に3つだ。まず当たり前のことだが使いなれていること。これも当たり前だが、次にこれまでずっと使い続けたものを突然別のものに変えるのは、面倒だということ。最後にこれが一番大きいところなのだが、表示の崩れが少ない(と筆者は信じている)ことである。
かたくなにIEを支持してきた筆者であるが、ほかのブラウザの台頭で肩身が狭くなってきた。そんなとき、編集部に1通のメールが届いた。「Operaのことを知っていただこう」――なんともダイレクトなテーマの記者説明会のお知らせだ。大胆な“誘惑”……。しかし、いい機会なので参加してみることにした。
Business Media 誠のY編集長もOperaを愛用している(関連記事参照)。「どこらへんが一番いいんですかね?」と聞いてみたところ、「アドオンとかわざわざしなくても、ある程度の機能が入っているところ!」だそうだ。
筆者は仕事柄表示の崩れを確認するなど、検証用にインストールしていたことはあったものの、Operaをメインとして使用したことはない。恥ずかしながらOpera Softwareがノルウェーの会社であることも知らなかった。そして日本にもエンジニアリングチームが存在することも初めて聞いた。
日本のエンジニアリングチームはノルウェー、スウェーデン、ポーランドの技術者と毎日連絡をとりつつ、開発とサポートを行っている。いまでこそIEもタブブラウザになったが、いち早く導入していたのがOperaである。筆者にもなじみのある、WiiやニンテンドーDSのブラウザもOperaだ。しかもニンテンドーDSやWii向けのブラウザも日本で開発したものだそうだ。
「みんな好みが違うんだから、簡単にカスタマイズできるものを提供する」と言うのはOpera Softwareの冨田龍起カントリーマネージャーだ。会社のビジョンは「Best internet experience on any device」。つまりデスクトップに限らず、ゲーム機やケータイなどどんなデバイスでも、一番いいインターネット環境を提供していきたいとしている。
日本法人代表のブレント・森氏は「日本は大事な市場だ。日本のユーザーは使いやすさにうるさく、品質にとても厳しいのでありがたい。わたしたちはお客さまと同じ考えだ。Operaブラウザの品質改善につながるので」と話す。
さて肝心なのは機能である。エンジニアチームのダニエル・デイビス氏が最新版のOpera 10を紹介した。Opera 10では、Operaのサーバを利用してWeb閲覧速度を高速化する「Opera Turbo」のほか、空白ページに表示するスピードダイヤルやブラウジングしながら自動更新するオートアップデート機能などを実装。これらはすべてユーザーの意見を反映したものという。
なお、PCにサーバ/クライアント機能を持たせる機能「Opera Unite」は、Opera 10には組み込まれなかった。「(次期バージョンの)10.10では追加したい」(デイビス氏)
Opera 10の新機能も大いに気になるところだが、一番気に入ったのは以前から実装していた「リサイクルボタン」である。リサイクルボタンは、閉じたタブを元に戻せ、前ページもバックボタンで再表示できる機能。IE8でも同じような機能があるものの、タブを右クリックしたり、新しいタブを開かないと表示されない([Ctrl]+[Shift]+[T]キーでも可)。筆者は新しいタブをホームページに設定しているため、あまり使い勝手がよくなかった。Operaでは目立つ位置にリサイクルボタンがあるほか、[Ctrl]+[Z]のみで直前のタブが復活する。
説明会で「わたし、実はIEユーザーなんです」と告白したところ、「えー!! 記者職の方には珍しいですね」と切ない反応が返ってきた。そんなこともあって、会社に戻り早速Opera 10をインストールをしてみた。確かに表示が高速で使いやすい。インストールした時点で、使用頻度の高そうなページもすでにブックマークに登録されている。リサイクルボタンもやはり便利である。
乗り換えもありかも!! なんて思っていたのだが、気になる点が2つあった。1つは表示の崩れだ。普段使っているWebメーラー「feedpath Mail」の表示がかなり崩れてしまっている。「もう1つのブラウザでWebメーラーを起動すればいい」と周りには言われたが、やはり筆者は1つにまとめたい。ううう。残念だ。
2つ目は1つのボタンを右クリックするたびに出てくる「カスタマイズ」の表示。「カスタマイズ」と言われると、自分仕様に変えなければならない脅迫観念に駆られる。この豊富な機能を使いこなせるか、徐々に自信がなくなってきた。そして、また自然とIEを起動している筆者だった……。
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