夢中な人々Biz.ID Weekly Top10

大学生の頃、ドイツ語の先生からこんな話を聞いた。「外国語の勉強を真剣に志すならば、“その言語で夢を見る”までがんばってみなさい――」

» 2010年02月10日 18時47分 公開
[杉本吏,Business Media 誠]

 先週のBiz.IDで最も読まれたのは、「2008年製はハズレ? HDDのデータ復旧、依頼が多いメーカーは」。2位には永田豊志さんの「Twitterはじめましたリポート」(続編もどうぞ)が、3位には30代のダイエット連載から「知りたくなかったテキサス・バーガー」がランクインした。


 筆者が大学生の頃、ドイツ語のT先生(日本人)からこんな話を聞いた。

 外国語の勉強を真剣に志すならば、「その言語で夢を見る」までがんばってみなさい。英語なら英語を、ドイツ語ならドイツ語を、夢の中でも君が喋っていたとしたら、それはひとまず“一人前”になれた証なのですよ――。

 T先生は、大学院生時代に師事していた教授に同じ話を聞かされ、「ドイツ語の夢を見る」ことを目標に毎日朝から晩まで勉強し続けた。初めて目当ての夢を見ることができたのは20代の後半。目が覚めたときの感動を、今でもよく覚えているという。

 筆者はろくに授業にも出ない不真面目学生だったので、今では「ドイツ語? 10までは数えられますよ」というレベルなのだが(T先生ごめんなさい)、この話は強く印象に残っている。

 ドイツ語の夢は一度も見たことがない筆者だが、「仕事の夢」なら最近よく見る。夢の中では、会議をしたり、取材に行ったりするわけではなくて、そのものずばり「記事を書いている」のだ。「執筆夢」を見ているときの思考は極めて具体的なもので、トレースすると大体こんな感じになる。

 (この文章、どうして読みにくいんだろう。……む、主語の位置が悪いのかもな。テンの打ち方もよくない。ここをこうして、こう直せば……よしよし、だいぶマシになったぞ)

 「ウソ言うな」と思う読者もいるかもしれないが、残念ながらホントなのですよコレが……。目が覚めて跳び上がって喜んだというT先生と違って、筆者はほとんどの場合「うげー。今日も1本書いちゃったよ」という感想。「これも一人前になった証ですかな」などと力なくつぶやきながら出社し、PCを立ち上げ、今度は本当に記事を書き始めるのである。

 そんな筆者を見て上司は、「スギモトくん、今日も元気がないねえ」などと言うわけだが、そんなことはないんですよ、実際。昼も夢中で、夜も夢中で、寝ても覚めても記事を書いているんですよ。いやホント……(とここまで書いた原稿を上司に見せたら、「オレは夢の中で1日3本は書いてる」とのこと。いや、おみそれしました)。

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