2008年製はハズレ? HDDのデータ復旧、依頼が多いメーカーは

日本データテクノロジーは、PCメーカー、外付けドライブメーカー、HDDメーカー、製造年に分類したHDDのデータ復旧統計を公開した。

» 2010年02月05日 13時40分 公開
[塙恵子,Business Media 誠]
photo データ復旧依頼に至る理由は、機器の故障だけでなく、ユーザーの誤操作によるデータ消去、機器の落下など、メーカーの品質に関係しないケースも含まれる。日本データテクノロジーは販売された台数(市場シェア)は把握しておらず、シェアの高いメーカーの製品ほど、データ復旧を依頼されるケースが多いと考えられる。また、データ復旧依頼されるHDDは、およそ4〜5年前に製造されたものが多く、現在販売されている製品の品質とは異なることも想定している

 日本データテクノロジーは、同社が2009年にデータ復旧依頼を請けた4万台以上のHDDを、PCメーカー、外付けドライブメーカー、HDDメーカー、製造年に分類した「2009年HDD データ復旧統計」を発表した。

 日本データテクノロジーにデータ復旧依頼で持ち込まれた機器を形状別に分類すると、デスクトップPCが21.3%、ノートPCが19.7%、外付けHDD(USB接続、NASなど)が32.3%、機器から取り外して持ち込まれたHDDが26.2%、DVDレコーダーなどの録画機器が0.4%。

 データ復旧依頼を受けたデスクトップPCメーカーで最も多かったのはデルで、Apple、日本電気(NEC)が続いた。ノートPCのメーカーはNEC、東芝ソニー、外付けHDDメーカーはバッファロー(メルコ含む)、アイ・オー・データ機器ロジテックとなっている。

 データ復旧依頼を受けたすべてのHDDで、もっとも多かったのは3.5インチサイズで、64.2%を占めた。2.5インチは34.2%にとどまった。3.5インチサイズで最も多かったのはWestern Digital。続いてSeagate、SAMSUNG、日立(HGST)の順。2.5インチサイズでは東芝、日立(HGST)、富士通、Seagate、Western Digitalという結果となった。

 HDDに記載された製造年を見ると、2005年が最も多い。全体の傾向はストレージ市場の拡大による右肩上がりと、正規分布を掛け合わせて推移。ただし、2008年製のHDDのデータ復旧依頼が目立つ。

photophoto ※HDDに記載された製造年のデータであり、実際にそのドライブを搭載した機器がいつから稼働開始されたかは不明。また稼働環境(温度環境など)、稼働時間も不明

 HDDの製造年とドライブメーカーの推移を見ると、最も正規分布に近い推移をしているのが東芝製ドライブ。2004年の4.0%(割合はすべてのデータ復旧依頼ドライブに占める率)がピークを迎えている。

 Western Digital製ドライブも、2008年を除けば正規分布に近い推移をしている。ピークは2005年のため、「2010年は2006年以前に製造されたWestern Digital製ドライブは注意が必要かもしれない」。全体の2008年製のデータ復旧依頼が突出しているのは、Western Digital、Seagate、SAMSUNGで、前年より率が高くなっている。日本データテクノロジーは、「理由は不明だが、2008年製のHDDはいわゆる“ハズレ”だったのでは」とコメントしている。

 なおSeagateに関しては、2004年までは0.6%、0.5%、1.6%と、世界シェア1位であることを考えると比較的低い率で推移していたが、Maxtor買収を発表した2005年降は、(2.1〜4.1%と)徐々に率が高くなっているようだ」(日本データテクノロジー)

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