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» 2012年02月14日 16時00分 公開

意外と知らないサラリーマンの住民税、所得税とは何が違う?大増税時代(2/5 ページ)

[奥川浩彦,Business Media 誠]

年収850万円、年収120万円の妻、高校生と大学生の子供、生命保険料10万円以上の場合

 年収850万円の場合も給与所得控除は所得税と同じ205万円。

給与などの収入金額(年収) 給与所得控除額
660万円〜1000万円以下 収入金額×10%+120万円
  • 850万円×10%+120万円=205万円

 各種控除は社会保険が同額の約113万円。基礎控除は33万円。妻(配偶者)の年収は120万円なので、以下の表から配偶者特別控除は所得税と同額の21万円、高校生の33万円と大学生の45万円、生命保険料は10万円以上なので上限の3万5000円となる。

配偶者の収入 配偶者の所得 住民税の控除額 所得税の控除額
103万円〜105万円未満 38万円〜40万円未満 33万円 38万円
105万円〜110万円未満 40万円〜45万円未満 33万円 36万円
110万円〜115万円未満 45万円〜50万円未満 31万円 31万円
115万円〜120万円未満 50万円〜55万円未満 26万円 26万円
120万円〜125万円未満 55万円〜60万円未満 21万円 21万円
125万円〜130万円未満 60万円〜65万円未満 16万円 16万円
130万円〜135万円未満 65万円〜70万円未満 11万円 11万円
135万円〜140万円未満 70万円〜75万円未満 6万円 6万円
140万円〜141万円未満 75万円〜76万円未満 3万円 3万円
141万円以上 76万円以上 0円 0円

 これらの金額を(1)(2)に当てはめると、

  (1)給与の収入金額(年収)−給与所得控除=給与所得

   850万円−205万円=645万円

  (2)給与所得−各種控除(社会保険料控除+基礎控除+配偶者特別控除+扶養控除+特定扶養控除+生命保険料控除)=課税所得

   645万円−(113万円+33万円+21万円+33万円+45万円+3万5000円)=396万5000円

 となり、所得税の367万円より課税所得は29万5000円も増えることになる。

 これらの例のように所得税より住民税の方が控除額が少ないため、結果として課税所得額は増えることが多い。その課税所得額に税率を掛け、均等割を足し、調整控除を引くと住民税の金額が確定する。

住民税の税率、均等割、調整控除

 住民税は所得によって変化する所得割と、税額が一律の均等割、調整控除からなっている。一部地域の例外を除き所得割は、市民税が課税所得の6%、県民税が4%の合計10%だ、均等割は市民税が3000円、県民税が1000円の合計4000円だ。表にすると以下のようになる。

市民税 県民税
所得割 課税所得の6% 課税所得の4%
均等割 3000円 1000円

 計算式は以下の通りだ。

 (3)課税所得×税率+均等割−調整控除=住民税

 これも順番に見て行こう。まずは税率。住民税の税率は基本的には住む場所に関係なく一律10%だが、各地方の事情で多少の上下はあり、筆者の住む名古屋市は5.7%、財政破綻した夕張市の市民税は6.5%、神奈川県は水源環境保全税が上乗せされ県民税が4.025%となっている。平成18年(2006年)までは所得金額によって5%、10%、13%の3段階となっていたが、現在は所得による差はなく一律となっている。

 均等割は一定の所得がある全ての人に定額が課税されている。こちらも基本的には金額一律、市民税が3000円、県民税が1000円だが税率以上に地域差がある。筆者の住む愛知県は「あいち森と緑づくり税」の500円が県民税の均等割に上乗せられ1500円、名古屋市の市民税は減税政策により均等割は2800円となっている。横浜市は市民税が3900円、県民税が1300円、宮城県の県民税は2200円など県民税に超過課税を設定している地域は多い。

 2年前に調べたときは数百円の上乗せが主流だったが、徐々にその額が増えている。1200円の上乗せは毎月天引きされるサラリーマンは月100円の増税で、見方によっては大したことのない金額だが、果たして県民のどれくらいの人がその存在と使い道を認識しているのかが気になるところだ。

 所得税が年収103万円(給与所得控除後の所得で38万円)以下だと非課税となったように、住民税も非課税となる収入が設定されている。多くの市区町村が均等割、所得割とも非課税としている条件は以下の4つだ。

  • 独身の場合は所得金額が35万円以下(給与所得控除前で100万円以下)
  • 結婚している場合は所得が35万円×(配偶者を含む扶養人数+1)+21万円以下
  • 障害者、未成年者、寡婦、寡夫の場合は所得が125万円以下
  • 生活保護法による生活扶助を受けている場合

 パート勤めの主婦は103万円ギリギリに年収を抑え税金を払わないで済むと思ったら、100万円を越えたため住民税のお知らせがきてビックリということがある。結婚していて配偶者がいる場合、所得が35万円×2+21万円=91万円以下なら非課税、さらに子供がいれば35万円×3+21万円=126万円以下なら非課税となる。この条件の扶養人数には扶養控除の対象外となった中学生以下の子供も含まれる。

 30ほどの市町村のWebサイトを見てみたが、大分県別府市は31万5000円×(配偶者を含む扶養人数+1)+18万9000円以下、沖縄県石垣市は28万円×(配偶者を含む扶養人数+1)+16万8000円以下などと非課税の条件が厳しいところもあるので自分の住む地域の役所サイトで確認した方がいいだろう。

 均等割(3000円+1000円)は課税で所得割は非課税となる条件を、結婚している場合は所得が35万円×(配偶者を含む扶養人数+1)+32万円以下としている自治体も数多くあるが、これも自治体によって異なるので自分の住む地域の役所サイトで確認することをお薦めしたい(記載していない場合もある)。

インフレ時代の確定申告

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