保存版!「あなたのEvernote、見せてください」(前編)クラウド達人に聞く(1/4 ページ)

Evernoteの「ノートブック」の分類は、多くの人が頭を悩ませるところ。今回は前後編2回にわたり、Evernoteの“達人”に特別にノートブックを公開してもらい、分類などのコツについて聞いてみた。既存ユーザーはもちろん、これからEvernoteを使おうとする人も必見だ。

» 2012年03月08日 11時00分 公開
[山口真弘,Business Media 誠]

 さまざまなメモや資料、写真から音声ファイルに至るまで、あらゆるデータをクラウドに保管できる“外部記憶脳”とでも呼ぶべきサービスが「Evernote」。

後編はこちら

 最近では上位のプレミアムコースを期間限定で無料で利用できるキャンペーンもあちこちで行われているなど、利用のハードルは低くなっています。すでにどっぷりとEvernoteにハマっていて、これがないと毎日何をするにもおぼつかないという人も多いことでしょう。

 そんなEvernoteで、多くの人が頭を悩ませるのが「ノートブック」の分類ではないでしょうか。「フォルダと何が違うの?」「タグとの使い分けは?」「入門書を見るとみんなノートブックの頭に3ケタの数字をつけているけどあれは何?」と、何から何まで疑問だらけ。使い始めてすぐにノートブックの分類でつまずいてEvernoteを使わなくなってしまった人、日々活用していてもイマイチ気持ち悪さが残っている人は、かなり多そうです。

 今回前後編にわたり、Evernoteを日々活用しているパワーユーザーの人たちに、実際に使っているノートブックを特別に公開してもらい、分類におけるこだわりについて聞いてみました。あわせて、これまでに失敗した分類方法や、敢えてEvernoteでは管理していないデータの種類についても質問しています。すでにEvernoteを使いこなしている人、イマイチ活用しきれていない人、これから新たにEvernoteを使ってみようという人、いずれの立場の人にとっても大いに参考になるのではないでしょうか。

佐々木正悟さん「ノートブックは未完了のプロジェクト、終わったらタグ付け」

 まず登場いただくのは、心理学ジャーナリストの佐々木正悟さん。Evernoteの入門書としてロングセラーである「Evernote ハンドブック」の共著者であり、サイト「ライフハック心理学」でもEvernoteのさまざまな活用方法を長年発信しています。日本におけるEvernoteエヴァンジェリストの1人と言って差し支えないでしょう。

Evernoteの利用環境
Evernoteの契約種別 PC スマホ(キャリア) スキャナ
プレミアム MacBook Pro iPhone 4(ソフトバンク) ScanSnap S1500M

佐々木さんはEvernoteをどういう風に使っていますか?

 プロジェクトやタスクの参照資料置き場として使っています。同時にライフログ・ワークログの資料庫として使っています。さらに思考整理のためのノートという使い方もしています。

タグ付けやノートブックの作り方にルールはありますか?

佐々木さんのノートブック。すべてスタック化し、折りたたむことで全体をコンパクトに俯瞰できるようになっている。終了すると「999【アーカイブ】」に移す

 ノートブックはプロジェクトやタスクの資料のために使います。つまり「まだ片づいていないプロジェクト」ごとにノートブックやスタックを作っています。

 タグはログのためのものです。「すでに終わったプロジェクト」や「イベント」の前に年月日を入れ、それをタグ名として保存しておきます。

 ノートブックに入っている資料にタグを付けて、「ログ用のアーカイブノートブック」にまとめて移動します。そのタイミングは週に1回の週次レビュー時です。

「.inboxスタック」を展開したところ。いま書きかけのテキスト、書かれたばかりでこれから使われる予定のテキストを収めている

「プロジェクト以前」や「ネクストプロジェクト以前」など、ノートブック名を見ればステータスがすぐに分かる

連載原稿を日付や通しナンバーで管理。桁がそろっているので見やすい

試してみてダメだったやり方は?

 以前ノートブックを3つ程度に絞り、後は全部タグで管理しようとしたことがありますがダメでした。

 またタグで独自にカレンダーを作って、その日に見るノートだけをそこに集めておけば、該当日にそのノートを見ればよく、それがそのままログにもなるかと思ったのだけれども続きませんでした。

あえてEvernoteでは管理していないデータは?

 タスクです。タスクは日時と見積もり時間という属性がなければ管理できないと考えているからです。

便利な拡張ツールやサードパーティアプリを教えて!

 「withEver」がなんといっても便利だと思います。スマートフォルダでかなりすばやく検索してくれます。また「ATOK Pad for iOS」もいいですね。Evernote専用の拡張ツールではありませんが、Evernoteを含むさまざまなWebサービスを連係させてくれる「ifttt」もすごく助かっています。


筆者(山口)

ノートブックの表題に【】(墨付き括弧)囲みでタグ的なフレーズが入っていたり、タグの並び順を整えるための「.」や評価を表す「★」マークなど、参考になる使い方ばかりです。接頭辞の数字も、ノートブックがおもに10番台、タグが100〜500番台と同じ数字でも命名ルールが分かれているのも興味深いです。


担当T

誠 Biz.IDの連載でもEvernote関連の記事をたくさん書いている佐々木さん。さすがのノートブックですね。山口さんも指摘していますが「.」を付けることで、順番を強制的に一番上に持ってくるやり方など参考になります。「プロジェクト以前」や「ネクストプロジェクト」などで大まかな管理をする一方、タスクやToDoは入れないなども独特です。


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