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» 2012年05月30日 15時45分 公開

説明書を書く悩み解決相談室:コミュニケーションのコツ8カ条をフレームワーク化して考えると? (1/2)

コミュニケーションには、必ず相手がいます。内容をツラツラと述べるのではなく、相手の目を見ながら質問ベースで話を進める。そしてその際、フレームワークを意識して話すと相手にも自分にも効果的なコミュニケーションの場となるでしょう。

[開米瑞浩,Business Media 誠]

 現代では多くの会社が社員を採用するときに、コミュニケーション能力を求めています。もっとも、コミュニケーション能力については誤解も多いようで、学生の中にはこれを単なる「人と仲良くおしゃべりする能力」と思っている例もあります。

 実際にはただの世間話を延々とできても仕事には役に立たないので、「相手の話を正確に理解すること」や「自分の主張に理解を得られるようにロジックを考えること」といった側面が大事です。

 そこで、学生に対して「コミュニケーションのコツ」を教えるために書かれた下記の文章を見てみましょう。

コミュニケーションのコツ8か条

 ビジネス実務において人とコミュニケーションを図るためのコツとしては、例えば(1)分からないことはきちんと確認する(2)ユーモアやジョークを交えて話す(3)例え話を効果的に使う(4)ゆっくりとはっきりした声で話す(5)相手の目をほどよく見て話す(6)論理的に話す(7)相手の立場や気持ちを考える(8)何から順番に話すか流れを考えて話す、などがあります。

 間違ったことは言っていませんが、この内容を単純に個条書きのプレゼンシートにして就活セミナーで話したら、うまく通じるでしょうか?

コミュニケーションのコツ8か条

 ポイント個条書き、というのはプレゼンテーションのありふれた手段ですので、こんなスライドでも良さそう思えます。しかしこれをそのまま、

 「ではコミュニケーションのコツについてお話しします。その1、分からないことがあったら確認すること。その2、ユーモアやジョークを交えて話をすること。その3、たとえ話を効果的に使うこと。……(以下略)」

 と、何の工夫もなくただ読み上げるようなことをやったのでは、退屈で眠気を催す講義になってしまいます。言っていることは正しくても、一方的に「聞かされる」「読まされる」のでは、聞く側はなかなか頭に入りません。せっかく、対面で話ができるセミナーならば、もっとインタラクティブなトークをしたいものです。人間が後に残る有益な「学び」を得るためには、「問いかけ」を受けて「考える」時間が必要なのです。

 私であれば、まずはこんな図を出してみます。

図:コミュニケーションのコツについて

大きな声で相手の興味関心を引く話し方を

 コミュニケーションには、必ず相手がいます。自分と相手との間でコミュニケーションが成り立つためには、自分の側の「主題、主張」や相手の「関心」、そして自分と相手の間で「音声、視覚」「ロジック」「メンタル」それぞれの次元で話が通じる必要があります。

 こうしてみると、冒頭の8カ条のうち(1)分からない点は確認するは、相手の関心や知識、理解度を確認することであり、(2)ユーモアやジョークを交えるのは、メンタルの次元の注意事項。(3)例え話を効果的に使うのはロジックの組み立てに関する話です。そして(4)ゆっくりとはっきりした声で話すのは音声の次元で通じるかどうかです。

 どんなに正しいロジックであっても、声が聞こえなかったら通じません。そしてロジックが正しく声も聞こえていたとしても、相手との人間関係が悪く「こいつの話は聞きたくねえなあ」と思われていたらやっぱり話は通じません。

 この調子で、コミュニケーションのコツ8カ条がそれぞれ上図のフレームワークのどれに関係するかをチェックすると下記のようになります。

コツとフレームワークの関連チェック
コツ フレームワーク
(1)分からない点は確認する 相手の関心・知識
(2)ユーモアやジョークを交える メンタル
(3)例え話を効果的に使う ロジック
(4)ゆっくりとはっきりした声で話す 音声
(5)相手の目をほどよく見て話す メンタル
(6)論理的に話す ロジック
(7)相手の立場や気持ちを考える 相手の関心
(8)何から順番に話すか、流れを考えて話す 自分の主張、ロジック

 そこで、先ほどの図を見せた上で、セミナーの聴衆に対してこんな風に質問をしていくわけです(次ページに続く)。

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