確定申告を2日で終わらせる、「青色申告ソフト」の使い方増税サバイブ術(1/9 ページ)

毎年、この時期になると「確定申告が面倒だ」と感じている人も多いだろう。税金の知識が詳しくなくても、できるだけ簡単に申告を済ませるにはどうすればいいのか。そこで「青色申告ソフト」を使って、確定申告を終わらせる方法を紹介しよう。

» 2013年03月14日 20時40分 公開
[奥川浩彦,Business Media 誠]

連載「増税サバイブ術」について:

 この連載は、税金のことを何も知らなかったサラリーマン時代の筆者でも税金のことが理解できるようにと思い執筆している。そのため意図的に正確とは言えない表現をしている。例えば「大学生の子どもがいる……」というのは間違いで、正しくは「その年の12月31日現在の年齢が19歳以上23歳未満の人」となる。同じ大学1年生でも早生まれの子どもは対象外となる。浪人した場合も大学4年生で対象外になる人がいる。これ以外にも高校生、中学生といった表現は正しくないがご了承いただきたい。


 毎年この時期にお届けしている税金に関する連載も今回で最終回だ。前回は青色申告ソフトの導入・設定部分を説明したので、いよいよ今回は複式簿記による記帳、確定申告書、決算書などの完成までを説明したい。業種によって内容は異なるが、筆者はフリーランスの仕事をしているので、そのような業種のやり方が中心となる。小売業などの仕入れが発生する業種の場合は、仕入れ、販売で作業量が大幅に増えると思われるが、基本的なところは同じと考えていいだろう。

 筆者個人の確定申告は、ここ数年最終日提出が続いていて、今年は例年以上に危ない状況だった。3月15日の期限に間に合わないと65万円の控除を失い、所得税、住民税、国民健康保険の増額は20万円以上……と独立7年目で初の提出遅延が頭をよぎっていた。

 前回の原稿を書いた後、自分自身の確定申告の作業に取りかかった。年末に「やよいの青色申告13」をインストールして、売り上げだけ入力していたが、経費などは手付かず。気分的には完成度3%くらいだった。そこから領収書の束をまとめ入力で一気に記帳。社会保険、小規模企業共済も入力。一部処理方法を忘れてしまったところは昨年の帳簿を見て、やり方を思い出しクリア。年末に記帳した売り上げで漏れていたものなども入力。事業用の通帳との残高も一致。1日半でほぼ95%くらいまで完成し、この原稿が終わったら最終チェックをして完成予定だ。2日が早いのか遅いのか分からないが、推定2日ほどで確定申告を終わらせる、筆者の青色申告の仕方を紹介しよう。

 本来は、日々記帳をするのがまっとうな個人事業主の姿だと思われるが、子どものころに毎日勉強せず試験前にあわてた経験のある人は、筆者のように帳簿付けをまとめてやる可能性が高い。決してオススメできるものではないが、参考にしていただきたい。

 筆者は日々の領収書をバインダーに大まかに分けて保存。年末が近付くと水道光熱費、消耗品費、接待交際費、修繕費などと書かれた封筒を用意する。この分類は経費の科目に近い名称となっているが、ガソリン代・車両費など自分自身が入力時に分かりやすくするための分類としている。テーブルに封筒を並べ、パンパンに膨らんだバインダーからトランプを配るように領収書を封筒ごとに分け、記帳するときは封筒単位で処理を進めていく。

領収書はバインダーの大まかに分けて保存する
科目ごとに封筒に分ける

 申告に関する解説書では時系列で記帳するのが一般的だが、トータルの作業時間は科目ごとにまとめて入力するほうが早い。例えば銀行口座に利息が振り込まれたのを記帳するとしよう。2月に「どう仕訳するんだ?」となり、やよいの青色申告にある仕訳アドバイザーやインターネットで検索して普通預金/事業主借と仕訳することを知り記帳する。半年後の8月にまた利息が振り込まれた際、2月に調べた仕訳を覚えていればすぐに記帳できるが、忘れているとまた同じように調べてから記帳することになる。まとめ入力をすれば同じ仕訳を一気に記帳できるので、簿記などを理解していない人は結果として作業時間の短縮となる。

インフレ時代の確定申告
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