手帳/文具メーカーのハイタイドが新作手帳を発表。月間と週間の中間に位置付けられるメモページ「エクストラカラム」を取り入れ、“ノートを併用せずにすむ手帳”に仕上げた。
“心が満たされる物作りを”――こんなコンセプトで文具を開発しているのがハイタイドだ。この社名は「満ち潮」を意味するHIGHTIDEに由来しており、「持つことで満足感が得られ、精神的に満たされる文具を世に送り出そう」という思いが込められているという。
男女を問わず幅広いユーザー層に受け入れられる製品作りを目指す同社が、このほど2014年版の新作手帳と文具を披露し、その特徴を説明した。
今回発表された新フォーマットの手帳は、「たっぷり書けるマンスリー」という名称で、「エクストラカラム」と呼ばれる独自のメモページがあるのが特徴だ。このシリーズは「月間と週間の手帳の中間に位置付けられる」(同社広報の井田氏)といい、「手帳とノートを併用しなくても、これ1冊で間に合うように大容量にした」(同)のがポイント。このコンセプトは、82ページというメモページの豊富さからも見て取れる。
この手帳のもう1つのポイントは、エクストラカラムを1ページの記入欄を縦6段、横4段で区切っていることだ。これは、複数プロジェクトの管理や、ToDoリスト、項目別メモなど、さまざまな活用方法が考えられる。幅広い用途に対応できるよう、さほどしばりがきつくないフォーマットのページを設けるのは、紙の手帳ならではのワザといえるだろう。
ページ構成は、月間ブロック、エクストラカラム、メモページの順となっており、カラーとカバーは複数のバリエーションが用意されている。
ハイタイドの井田氏は「手帳は、新アイテムを出して初めて分かることも多い」ため、エクストラカラムは応用が利きやすいものにしたと話す。例えば、2012年にリリースした新作「ダブルマンスリー」は、メーカーとしては“仕事とプライベートなど、複数の異なる予定を管理する”ことを想定して開発したが、ふたを開けてみるとユーザーはもっといろいろな使い方をしていたという。「仕事の販売目標や締め切り、実績などの数字を、予定のマンスリーとは別に記録している例もあったようです」(井田氏)
カバーとカラーのバリエーションも、その年のトレンドなどの要因で変化することから「正直なところ、どれが人気になるか分からない」と井田氏。こうした中で、より幅広い層にアプローチするためには、幅広い選択肢を用意することと、応用が利くページ作りが重要だとしている。
名称 | たっぷり書けるマンスリー | ダブルマンスリー |
---|---|---|
仕様 | B6ナローマンスリー | B6ダブルマンスリー |
デザインとカラバリ | 5デザイン、色柄込みで22種 | 5デザイン、色柄込みで22種 |
希望小売価格 | 1575〜2205円 | 1575〜1890円 |
HIGHTIDEには、手帳以外にもおもしろいブランドがいろいろあり、その1つが「PENCO」だ。もともと1本のボールペンを“アメリカンテイストの雑貨”というコンセプトでデザインしたのが始まりで、今ではペン周りの各種商品のブランドとして定着している。ブランド名のPENCOは「ペンの会社=PEN CONPANY」に由来するという。
ツインリングのノート「Academica」も、PENCOブランドの文具だ。アンティークのホーロー缶やマグカップなどによく使われる、ペンキを飛ばしたような表紙のパターンが特徴。このパターンはわざわざ書き起こしているといい、それがデザイン性を高めているようだ。
新たに他メーカーとのコラボレーションアイテム、「大人の鉛筆コラボモデル」が登場したのもトピックの1つだ。北星鉛筆の人気モデルをベースにPENCOならではのツートンのカラーリングを施し、六角のレッドシダー製ボディに2ミリの芯を装着モデルで、オリジナルにはないカラーリングが人気を集めそうだ。
手帳評論家・デジアナリスト。最新刊『使える!手帳術』(日本経済新聞出版社)が好評発売中。『手帳カスタマイズ術』(ダイヤモンド社)は台湾での翻訳出版が決定している。その他の主な著書に『手帳進化論』(PHP研究所)『くらべて選ぶ手帳の図鑑』(えい出版社)『システム手帳新入門!』(岩波書店)『システム手帳の極意』(技術評論社)『パソコンでムダに忙しくならない50の方法』(岩波書店)などがある。誠Biz.IDの連載記事「手帳201x」「文具書評」の一部を再編集した電子書籍「文具を読む・文具本を読む 老舗ブランド編」を発売
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