では、実際に個人事業主の納税額を計算してみよう。フリーランスのAさんは東京23区在住で30代後半独身。定年前の親と同居している。毎年の売り上げは800万円ほどで、経費は100万円程度だとしよう。まずは所得税。
独身で親も働いているので配偶者控除や扶養控除はなし。生命保険にも加入していない。控除されるのは基礎控除の38万円、国民年金と前年の所得から計算する国民健康保険の合計は約75万円(社会保険料控除)だ。
所得税の税率はサラリーマンも個人事業主も同じだ。
| 課税所得金額 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 195万円以下 | 5% | 0円 |
| 195万円超 330万円以下 | 10% | 9万7500円 |
| 330万円超 695万円以下 | 20% | 42万7500円 |
| 695万円超 900万円以下 | 23% | 63万6000円 |
| 900万円超 1800万円以下 | 33% | 153万6000円 |
| 1800万円超 | 40% | 279万6000円 |
課税所得が587万円なので所得税と復興特別税は、
となる。
所得税の次は住民税。住民税は基礎控除が33万円となり、社会保険料控除は同じ。税率は全国一律10%で、調整控除の2500円が引かれ、均等割の4000円が加算される。
所得税、住民税以外に事業税がある。事業税は業種によって税率が異なったり、課税対象から外れたりするので今回は割愛。また、2年前に売り上げが1000万円を超えると消費税の課税業者となるが、毎年800万円程度ということで非課税業者とした。
この例では、しっかり稼いでいるAさんは特に節税対策もしていないので高額を納税している。次回は経費や控除を見直し、節税対策をするとどれくらい納税額が減るかを検証してみたい。
基本中の基本、年末調整の書き方を理解しよう
年末調整の節税効果を検証、サラリーマンの税金を考える
進むクラウド会計の世界、全自動「freee」は中小企業の救世主となるか
サラリーマンが給与所得を今より多く受け取る2つの節税対策Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.