結局、“本物”しか選ばれない選ばれ続けるリーダーの条件(1/2 ページ)

人生は「選ばれる」ことの連続です。受験や就職活動など、人生の中で選ばれるという段階が必ず存在します。仕事での昇進や昇給も「選ばれる」行為そのものです。このように、ビジネスにおいて欠かせないのが、選び、選ばれるということなのです。

» 2013年12月06日 11時00分 公開
[山元賢治,Business Media 誠]

集中連載「選ばれ続けるリーダーの条件」について

 本連載は、山元賢治著、書籍『選ばれ続けるリーダーの条件』(中経出版)から一部抜粋、編集しています。

グローバルの波の中で、仕組みや慣習もものすごいスピードで変わっていきます。日本企業のあり方や個人の働き方も、従来のままではいられない。刻々と変化する世界で、変わらず求められる真のリーダーの条件とは何か? 外資系トップ企業で30年活躍した経験を、次世代のリーダーに伝える1冊です。

アップル、オラクル、IBMやEMCなど、30年間外資系トップ企業で働き、ビジネス界の巨人と肩を並べてきた山元賢治氏が大切にするのは、誰からも「選ばれる」人が持っているルールです。

「選ばれる人は、目先のテクニックに走らず、もっとも守るべき“原則”を理解し、日々実践できるかどうかで決まる」

未来のリーダーを目指す人、リーダーとして頼られる人間になりたい人に読んでほしい1冊です。


人生は「選ばれる」ことの連続

 受験や資格試験、就職活動など、人生のどの局面においても選ばれるという段階が必ず存在します。恋愛や結婚も「選ばれる」ということですし、会社での昇進・昇給や大切なプロジェクトへの指名も「選ばれる」行為そのものです。まして会社の役員や社長への昇格となると、一層、「選ばれる」実感が増すのではないでしょうか。

 また「選ばれる」のは、そうした人生の大きな節目だけではありません。日々のビジネスのあらゆる場面において、選ばれるというフェイズが存在しています。

  • 面接で誰を採用するのか
  • 誰にこの仕事を任せるのか
  • 誰にこの海外出張をお願いするのか
  • 誰に難しい問題を相談するのか
  • どの部門にこの仕事を任せるのか
  • 誰に新入社員のメンターをお願いするのか
  • どの企業にこのプロジエクトを発注するのか

 このように、ビジネスで社会を生きていくうえで欠かせないのが、選び、選ばれるということなのです。

特定の人物が選ばれる理由

 なぜ、たくさんの人間の中から、特定の人物が選ばれるのでしょうか。

 これまで、与えられた任務に必ず結果を出してきたのが理由かもしれません。または、何かを頼まれたときに絶対に断ったり、逃げたりしない姿勢を貫いてきたから、次も信頼して任せてもらえるのかもしれません。または、それまでに積み上げてきたパーソナルブランディングの成果かもしれません。

 私なりの答えを提示するならば、選ばれるかどうかは、目先のテクニックに走らず、もっとも守るべき“原則”を理解し、日々実践できるかどうかで決まります。

 「なりたい自分(To Be)」をしっかりと定義して、それに向かって突き進んでいるかどうか。それが重要です。言うなれば「結局は、本物しか選ばれない」ということです。本連載では、この「もっとも守るべき“原則”」についての考え方を伝えていきます。

私もこれまで選ばれる対象だった

 私は、日本IBMに新卒で入社後、日本オラクル、日本ケイデンスを経て、EMCジャパン副社長を務めました。2002年には、日本オラクルヘ復帰し、専務として営業・マーケティング・開発にわたる総勢1600人の責任者になりました。オラクルのラリー・エリソンCEOに直接お願いをして、日本でのオラクル・オープンワールドの再開も実現しました。

 そして、2004年、スティーブ・ジョブズに指名され、アップル・ジャパンの代表取締役社長に就任しました。それまではB2Bの専門家だった私を、典型的なB2C企業であるアップルのトップに指名してくれたことは、私の人生の中で最大級の光栄です。

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