ZNAPは導入店舗にもメリットをもたらすという。1つは、多額の導入コストをかけることなく、クレジットカード決済サービスを導入できる点だ。
低コストで導入できるモバイル決済といえば、PayPal HereやSquare、Coineyといった“スマホにカードリーダーを取り付けて決済する”サービスが注目を集めているが、ZNAPは、CAT端末はもちろん、カードリーダーすら用意することなくクレジットカード決済サービスを導入できる。これは、ZNAPがサーバ上でクレジットカード決済を行う仕組みになっており、そのトリガーとしてスマホで読み取ったQRコードと暗証番号を使っているためだ。
店舗が用意するのは、お客が読み取ったQRコードの情報をZNAPサーバに送るためのモバイル回線のみで、QRコードやカタログ、クーポンを生成するためのツールも無料で利用できる。店舗が負担するのは3.24%の決済手数料くらいだ(※1 ※2)
※1 決済手数料は、店舗がすでにカード会社と契約済みの場合、それと同じ条件(決済手数料)を適用できる
※2 クーポンサービスを提供する場合は、店舗が割引額の数パーセントを支払う形にすることを検討中
もう1つのメリットはマーケティングツールとして利用できる点だ。QRコードの利用履歴はZNAPのサーバ上に蓄積されるので、購入者の属性や購入場所、時間などの情報を分析し、マーケティングに活用できる。クーポン発行機能やポイント管理機能も備えているので、顧客の囲い込みにも有効だ。
ほかにも、店がカードを預かる必要がない点やセルフサービスの注文システムを構築しやすい点、店頭以外の場所で商品を販売できる点などが挙げられる。
さまざまな機能を備えたZNAPの決済は、仕組みを聞いただけでは実際のサービスをイメージしづらいところがある。そこで、日本でZNAPを提供するMPayMeは、六本木にコンセプトショップ「QRBAR」を展開。QRコードを使った注文や決済を実際に試せる場を用意した。店内では、テーブルに張られたQRコードをスマホで読み取ると、メニューがダウンロードされ、そこからセルフサービスでオーダーと支払いができる。
今後ZNAPは、クレジットカード決済だけでなく、銀行との連携による口座引き落としにも対応する計画だ。MPayMe Japanで営業部の部長を務める山路幹氏は、「お店の人たちがZNAPのさまざまな機能をどう使いこなし、どんな新たなサービスを生み出すのかが楽しみ。新しい使い方をシェアしながら、未来の決済を作っていきたい」と期待を寄せた。
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