2030年、あなたはビジネスパーソンとして生き残れますか?30代からの「次の働き方」(3/3 ページ)

» 2014年07月08日 08時00分 公開
[入江崇介,Business Media 誠]
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「より長い期間働く」ためのサバイバル力が求められる

 「国内人口減少」「少子高齢化」の進展は、単純に考えると、日本の労働力不足を引き起こすと予測できます。その結果、今以上に性別や国籍、そして年齢に関わらず、より多くの人が働くことを求められるでしょう。

 すでに、2025年には厚生年金の支給年齢が65歳に引き上げられることが決定しています。年金の財政状況を考えると、支給年齢のさらなる引き上げ、もしくは支給額の減額ということも、決して起きないとはいえないシナリオです。

 こう考えると2030年には、需要サイドだけではなく、私たち個人のニーズとしても「より多様な人が、より長い期間働く」時代にシフトしていくかもしれません。

 「IT化・機械化」は、私たちの働きやすさを向上する可能性があります。例えば、現在のテレワークのような仕組みがより発達すれば、ますます「時間や場所に縛られない」働き方の実現は容易になるでしょう。

 他方で、この変化は私たちの働く場を減らすものでもあります。人の手で作られていたものが機械生産になることなどは、その代表例です。「●●という仕事がなくなる」となれば、その時々に応じて柔軟に自分の身を立てるために仕事を変えなくてはならない時代が訪れるかもしれません。

 また、今でも平均的な「会社の寿命」は「個人の寿命」よりも短いのですが、ますます一生で1つの会社だけでなく、複数の会社で働くということが当たり前になるでしょう。

 「グローバル化」について言えば、日本国内に自分が手がけられる仕事がなくなって「海外で働く」ことも考えられますし、積極的に「いきなり海外で働く」という人も増えるかもしれません。海外の人材が今以上に国内で働くことも十分に考えられます。職場は今以上に多国籍化し、「日本人がマイノリティ」というところも珍しくなくなるかもしれません。

 今日から2030年までの私たちにとって、「長い期間働く」ことが1つのキーワードとなりそうですが、決して簡単ではなさそうです。実現するためには、「1社にこだわらない働き方」「日本にとらわれない働き方」をしたり、そのために「継続的な学び」で能力を磨き続けたりすることが求められそうです。

 同時に、育児や介護、また自分の生活といったライフステージ、ライフスタイルにあわせて、「場所・時間に縛られない働き方」をしていくことも、今以上に欠かすことはできなくなりそうです。

 環境変化と同じく、このような仕事、働き方の変化もすでに起きつつあります。次回からは、このような変化の芽に目を向けて、改めてこれからの私たちの働き方について考えていきたいと思います。

著者プロフィール:入江崇介

入江崇介

株式会社リクルートマネジメントソリューションズ 組織行動研究所 主任研究員/ 2002年東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻にて修士課程(学術)修了後、株式会社人事測定研究所入社。アセスメント、トレーニング、組織開発の商品開発・研究に携わり、現在はマネジメント、リーダーシップ等に関する研究や実態調査に従事する。


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