スルメが固いからと捨てない、スイカの皮が固いからとあきらめない:アラフォー起業家の“継続拡大”人脈術
米国人は柔らかいモモ、ヨーロッパ人は皮の固いスイカ――というたとえがある。でも固いスイカの中身は意外と柔らかかったりする。一見取っつきにくい人こそ、意外と長く付き合える人脈につながったりするのである。
十人十色という言葉があるくらいだから、人は皆それぞれ違っている。コミュニケーションスタイルもそれぞれだ。
あなたはスイカを“食べず嫌い”してないか?
米国人とヨーロッパ人の違いを表す言葉として、モモとスイカのたとえ話を聞いたことがある。アメリカ人は、初めからフレンドリーだが、本当の心の中は見せず、親しくなりづらい(つまり、やわらかいが非常に固い種があるモモ)。一方、ヨーロッパ人は最初はとっつきにくいが、親しくなると深いところまで理解し合える(つまり、皮が固いが芯はないスイカ)というわけである。
これはあまりにもステレオタイプなものの見方だが、とっつきにくい人を切り捨てないというメッセージとしても理解できそうだ。
例えば、知人の紹介で知り合った方とイマイチ会話がはずまないことがある。どうもテンポが合わず、「こちらに興味を示さないんだなあ」「なんかこの人つまらないから、別に接点はいらないかな」などとバッサリあきらめてしまうこともできる。だが、そこで少し待ってみてはどうだろうか。もしかしたら、だんだんと味の出てくるスルメタイプ――モモとスイカでいえば、皮の固いスイカタイプ――の人かもしれないのだ。
誰とでもすぐ仲良くなる(ようにみえる)、一見フレンドリーな人は、たいていの場合、誰に対してもそうである。言い換えると「広く浅く」の人だ。初回から好感度が高かったとしても、じっくりと人脈を築いていく相手には向かないこともある。それよりも、味があって長く良い関係の築ける人は「スルメ」や「スイカ」の可能性が高いのではないだろうか。
相手を観察して、話のきっかけをつかもう
周りにそのような人がいたら、ぜひ何度か話をしてみてほしいと思う。とっつきにくいからと話すのを敬遠してしまいがちかもしれないが、話し慣れている人より味があったりする。おとなしい人だと、最初はぶっきらぼうに見えたりもするが、数回話せば、相手が嫌がっているのか、照れているだけなのか、話に慣れていないのかなどは自然と見えてくるはずだ。
ヘアサロンでも、スタイリストさんが話しかけてきて、こっちが雑誌を読みたいときは向こうが引くし、話をしたいときはうまく会話に乗ってきてくれる。あの逆の感じをイメージするといい。
話のきっかけは、飲み会なら飲んでいる物、打ち合わせならノートの銘柄、それ以外にも髪型や携帯電話などいくつかある。いつもカジュアルな服装の人がスーツだったら、「あれ、今日はスーツなんですか?」と聞いてみよう。「客先直行したんです」とか「ええ」とか「そうなんですよー。普段着ないからなんだか慣れてなくて」などの返事が来たらしめたもの。もしうまくきっかけがつかめたなら、見逃していた重要な人脈を発見できる――かもしれない。
著者紹介:加藤恭子(かとう・きょうこ)
IT誌の記者・編集者を経て、米国ナスダック上場IT企業の日本法人にてマーケティング・広報の責任者を歴任。外資系企業ならではの本社へのリポートの方法や、離れた地域にいる国籍の違う同僚とのコミュニケーションを通じて、効率よく実施する仕事のノウハウを高める。現在は、その経験を生かし、IT企業・組込み系システム企業のマーケティング・PR(広報)のコンサルティングを行うビーコミの代表取締役として活動。日本PR協会認定PRプランナー。
日経BP社、翔泳社、アイティメディア、ダイヤモンド社、アスキーなどで連載や記事も寄稿。インターネットを活用したコミュニケーションも研究しており、複数の学会などでブログコミュニケーションやネットPRに関する発表をしているほか、「CGMマーケティング」(伊地知晋一著、ソフトバンククリエイティブ刊)の編集協力も務めた。青山学院大学国際政治経済学研究科修士課程修了。現在は某大学院の博士課程に在籍し、引き続きコミュニケーションを勉強中。
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