ここまで“進化”――中古オフィス商品でコストダウン:コストカットを考える(2/2 ページ)
中古品は粗悪品が多い、型が古い、希望に合うものがない――と思ってませんか? ところが、この世界も競争が激しく、常に進化しています。当然ながら新品より安いので、うまく活用すれば大幅なコスト削減になるのです!
大幅なコスト削減に成功した企業
ノウハウを実践して、コストダウンをした2つの企業の事例をご紹介します。
A社の場合 金融業。本社の従業員数は約250人。全国展開しており、各拠点でもコストダウンに成功。
中古品の活用と業社の選択で1700万円も削減
各地に拠点を持つA社は、OA機器、通信機器、什器類のおよそ8割に中古品を導入してコストを削減。またパーティションは既製品を使い、統廃合をするときも使い回しができるように工夫しています。各拠点では、オフィスツールをすべて新品でそろえたときと比較して、約150万円の削減に成功しています。
本社が移転するときも、ほとんどのものを旧オフィスから運び込み、足りないものは主に中古でそろえました。倉庫で使う什器は中古品と廉価な新品を採用。本社は、すべて新品でそろえた場合を試算すると1200万円のコストダウン。中古品は安い上に、短期間で納品が可能なのも魅力。新品は受注生産が多く、時間がかかることもあるからです。
原状回復工事は、業者を厳選することで4000万円を3500万円に。本社だけで1700万円ものコストダウンを成し遂げました。
B社の場合 保険業。従業員数約60人。各250平方メートルある2フロアを1フロアに縮小する際、業者を厳選して工期を大幅短縮。
工期の大幅短縮と中古品で差額2000万円
オフィススペースを縮小するにあたり、2つの業者に相談。最初はメーカーで、トータルの見積もり費用は3500万円。OAフロア、タイルカーペット、電気・照明工事など10項目ある作業は3つの業者が分担し、工期1カ月とのことでした。
一方、移転業務をすべて請け負う業者の見積もりは、同じ内容で1500万円、工期は10日と、どちらも大きな差があったのです。
金額の違いは主に什器類。前者はすべて新品を提案したのに対し、後者は中古品や移設品も導入。さらに、業者が1つなのもコストダウンに直結しました。また、前者のスケジュールは翌月までまたがるタイミングだったので、依頼すれば賃料がかさみます。後者は月末までに仕上げたので、ワンフロアを契約解除する際、必要最低限の賃料で済みました。
『月刊総務』2008年12月号の「総務のマニュアル」(P86〜89)より
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