付せん手帳の「テンミニッツ手帳」――2012年版は“落とし物係”も:手帳2012
手帳と専用付せんの組み合わせでスケジュール管理ができる「10min.(テンミニッツ)手帳」の2012年版が登場。今年はカンミ堂が“落し物係”も担うという。
手帳と専用付せんの組み合わせでスケジュール管理ができる「10min.(テンミニッツ)手帳」の2012年版が登場する。基本をおさらいしつつ、改良点と新サービスを解説する。
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付せんでタスク整理するユニークな手帳
この手帳の基本を簡単に整理しておこう。テンミニッツ手帳はA5版サイズの手帳で、以下の3つが特徴だ。
- タスク記入用の3色(黄色、オレンジ、グレー)3種類(幅が異なる)の付せん
- ToDoボード。タスクを書いた付せんはまずここに貼る
- 付せんを貼るスケジュール帳
ユーザーは、まず(1)にタスクを書く。このときタスクの種類によって付せんの色を変えるのがポイント。スケジュール帳に貼ったときに色の違いでタスクの種類が分かるからだ。また同じ色の付せんでも縦幅の違う3種類があり、それぞれスケジュール帳の30分、60分、120分の幅に対応している。つまり、タスクを書く時点で所要時間を見積もれるようになっている。
これができたら、各タスクに優先順位をつける。(2)のToDoボードには優先順位の軸を用意。横軸は「Today's ToDo」「Weekly's ToDo」「Want To Do」といったテーマ別に3分割され、縦軸には重要度が記されている。ここでタスクを分類してから(3)のスケジュール帳にタスクを貼り、予定を書き込む。
カバーを拡げたところ。左側にはA5版のノートやリポート用紙を挟める。右側はToDoボード。横は3種類のToDoを分類するように3分割。縦に重要度の軸がある。最下部はパーソナルなタスクに割り当て。左端にあるのがペンホルダーで、ToDoボードの連結部と合わせて、ペンを装着することで手帳がカバンの中で開きにくくなるようになっている
スケジュール欄のメインは週間ページで、1日の時間を確認できるバーティカル式。ここに色と幅の異なるタスクの付せんを貼りつけていく。手書きの手帳ながら、予定の変更は付せんの貼り直しですむ手軽さは、テンミニッツ手帳ならではのものだ。
月間欄でもタスク付せんを貼りやすく
発売元であるカンミ堂の末永卓代表取締役によれば、2011年に初登場したテンミニッツ手帳はユーザーに好評だったという。「テンミニッツ手帳はハマる人はハマってくださったようです。またリピート用の付せんも数が出ています」
2012年版は次の点を改良した。まず月間欄をタスクの付せんが貼れるスタイルに変更。「2011年版の月間欄はブロック型のスタイルで幅も狭かったのですが、今年は付せんをぴったり貼れるようにしました。これで月間から週間への付せんの貼り替えも簡単です」
カバー素材も塩ビからポリウレタンに変更し、ノートカバーのようにA5版ノートやリポート用紙を挟めるようになった。手帳とノートをまとめて管理したい人には便利だ。このほか表紙と内側、ペンホルダー部の色も合わせた。「テンミニッツがずっと考えているイメージは、若い人が楽しみながら時間管理ができるというもの。カバーも、ビジネスマンが商談で無理なく出せて、しかもおしゃれ感のあるものをと考えました」
“落とし物係”もやります
2012年版からの新しいサービスが“落とし物係”だ。これは、落とした手帳を拾った人にカンミ堂に連絡して送ってもらうサービスだ。
「手帳は個人情報のかたまり。だからなのか、巻末に名前を書く人は少ないのです。従って、万一落としたときにも持ち主に届けてもらいにくい。そこで拾った人にはカンミ堂に送ってもらうようにこのサービスを考えました」
サービスのイメージは次のようになる。テンミニッツユーザーは、専用Webページ上でメールアドレスと8桁の番号を登録。この番号を書いた付属の専用ラベルを手帳に貼る。そして万一手帳を紛失した際には、拾った人がカンミ堂に手帳を届けて、カンミ堂が登録情報を元にユーザーに連絡する――という流れだ。
紛失した手帳を探すサービスではないが、落とした人が個人情報を出すことなくカンミ堂を経由して紛失した手帳が帰ってくるのは、単純なようだが画期的だ。
ユーザー登録にも意味がある。「店頭で購入したお客様とコミュニケーションする手段は今までありませんでした。このサービスに登録したユーザーの声を聞く機会にできればと思っています」
名前を書く欄はほとんどの手帳についているが、落としたときの個人情報漏えいリスクを考えると、ここに名前を書くのははばかられる。だが書いておかなければ落としたときも戻ってくる確率は皆無だろう。カンミ堂のこのサービスは、この二律背反の問題をメーカーという立場を最大限に活用して解決しようとしている。同時にユーザー登録してもらうことで、コミュニケーションの機会も得ようとしているのだ。
2012年版のテンミニッツは、単なる手帳としての作りだけでなく、紛失時のバックアップ体制や“手帳のユーザー登録”という考え方を提案した。カンミ堂の新たな取り組みに今後も注目したい。
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