机にはペン4本がベスト――選択肢を減らして無駄をなくす:机を基地化せよ(3/3 ページ)
仕事の机を整理しようと思った場合、極端に全て捨てることはオススメしません。すべて捨てるわけでも、すべて保管しておくのでもない、その中間にこそ、居心地のよさがあるのではないかと思うのです。
コソドロ用にわざと盗みやすいペンを見せる
本当は、出木杉くんが自分のペン立てに必要としているものは3本しかありません。しかし、彼は「コソドロ」こと石川さんが、人の文房具を拝借してはそのままにしておく悪癖があることを知っているので、わざと「盗みやすい」ボールペンを仕込んでいるのです。これが謎の4本目です。
コソドロの心理を少し解説しておきます。そもそも、彼らには強い悪意があるわけではありません。自分で探すのが面倒でついつい人の机から拝借してしまうのです。もっとも、黙って使ったあとでも返却してくれれば問題ないのですが、彼らの問題点は、得てして用を足すと借りていたことそのものを忘れてしまい返さないこと。例えあとから気づいても、気まずくて言い出せなくなるのです。
要するに職場のコソドロは、窃盗犯とは違います。何かを盗んで自分のものにしてしまおうという目的でコソドロしているのではなく、あくまで自分の机の中を探したり、総務部に新しい文房具を取りに行ったり、自分で買ってきたりするのが面倒なだけ。
そして、社員が使用している文房具はもともと会社のお金で購入していて、同じものを使っているのだから、別の誰かがちょっとくらい断りなく使ったって構わないだろう、というコソドロなりの哲学があったりもします。
出木杉くんの対策は、なかなか優秀です。コソドロは盗む対象として、会社の備品ではない高級品には手を伸ばしにくくなります。なぜなら、自分が泥棒を働く気はないからです。
それでも急いでいる場合は、自腹を切って買っているちょっと高い文房具を盗まれてしまうリスクがないわけではありませんし、当初はちゃんと断って借りたはずなのに、返すことを忘れられてしまうこともあります。
それなら、「別に盗まれてもいい」会社の備品を盗まれるためだけにあえて入れておけばいいということになります。
著者紹介:美崎栄一郎(みさき・えいいちろう)
会社員時代から文房具が好きで、文具術や仕事術に関する書籍を複数出版し、勉強会なども主催。2011年にフリーランスとなり執筆や全国で講演活動などを行っている。本連載の基となった書籍『超iPadバカ 2000種類のアプリをためした男のすごい活用術』(アスコム刊)のほか、著作に『結果を出す人はノートに何を書いているのか』(ナナ・コーポレート・コミュニケーション刊)『iPadバカ』(アスコム刊)、『アイデアは才能では生まれない』(日本経済新聞出版社刊)、『がんばる人ほど見落としている気づかいの極意』(フォレスト出版刊)などがある。
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