机の整理とPCの整理は、反比例している?:机を基地化せよ(5/5 ページ)
何でもすぐ人に聞く“依存ちゃん”の机は、見事に整理整頓されている。一方、PCのデスクトップはアイコンがぎっしり。机の整理とPCの整理は、反比例でもしているのだろうか?
フォルダは「大プロジェクト」ごとで十分
僕は基本的に何段階ものフォルダ階層は作りませんが、ファイルを1つのフォルダにまとめたほうが効率的なケースも存在します。
僕の例で言えば、同時に何冊も本を書いていますからAという本のために作成したファイルと、Bという本のために作ったファイルは、それぞれのフォルダに分け、それぞれのショートカットをデスクトップに置いたほうが効率が上がります。フォルダ分けは、せいぜいこの程度で大丈夫です。そこから何階層にもする必要はありません。
添付ファイルやダウンロードしたファイルを保存する際、いちいち新たにファイル名を付け替える(リネームする)人がいます。
送り手やオリジナルの作成者が付けた名前が、自分の好みやファイル整理の原則に合わない場合だけでなく、ファイル名の頭を日付などの数字にする方法を試したことがある人もいるはずです。僕もかつては実践していました。
しかしこれも、フォルダの階層作りと同様、今ではあまり重要なことではありません。名前を付け替えなくても、本文を直接検索できるからです。画像や音声、動画といった、テキスト検索の対象にならないファイルについては、リネームしても構いません。
1つだけ裏ワザを付け加えておくと、出版物の制作では大量の画像ファイルを扱うことがあります。それらはあえて1つのフォルダにまとめておき、同じ場所にそれらが何であるかを「走り書き」したテキストファイルを保存しておきます。
もしそれらが添付ファイルで同時に送られてきたものなら、そのメール本文を丸ごとテキストファイルにコピー&ペーストしたり、メッセージそのもののコピーを一緒に入れたりしておきます。すると、それが全文検索の対象になるのです。
アプリのショートカットは消す
デスクトップを占拠しているアイコンには、アプリケーション(プログラム)へのショートカットも存在します。
僕は、アプリのショートカットはデスクトップに置きません。インストールする際に「デスクトップにショートカットを作りますか?」と聞かれれば、答えは間違いなく「いいえ」ですし、知らない間に作られても、即削除しています。
理由は簡単です。多くのアプリケーションは何らかのファイルを閲覧したり、編集したりするために存在しますが、ファイルは拡張子によってアプリケーションに関連付けられていますから、結局はファイルをクリックすればアプリケーションが立ち上がってくるのです。
Word文書のファイルを開くのに、まずWordのアプリケーションを開き、まっさらな新規文書を消して、メニューから編集したい文書を開いている人など、初心者でもない限りほとんどいないでしょう。編集したい文章を開けば、勝手にアプリケーションとしてのWordも展開されるからです。
EvernoteやWebブラウザのように、デスクトップに存在していることに一定の意味があるアプリケーションもあります。
これらはできる限り、Windowsならばタスクバー、MacならDockに格納してデスクトップには残さないようにします。アプリケーションのアイコンは、ユーザーの価値や効率を上げるものではなく、ソフトメーカーのフライヤー、要するに宣伝用のチラシです。価値を生み出す上で大切かつ有限の場所であるデスクトップを、どうして宣伝物で占拠させておく必要があるでしょうか。
個人用のお手軽なPCを買ってくると、初めて電源を入れたとき、大抵デスクトップには、メーカーの宣伝用だけでなく、プロバイダーや回線、セキュリティソフト、年賀状印刷などさまざまなお試し用アプリへのショートカットが並んでいます。
これは、少しきつい言い方をしてしまえば、ポストに入っていたチラシや、頼みもしないのに届いたダイレクトメールを、いつまでも机の上に広げたままにしているのと同じことです。
向こうもビジネスですから、あの手この手で宣伝してきます。しかしこちらにとっても、デスクトップは大切な領土です。不必要なアイコンは削除しましょう。
まとめ
デスクトップにアプリのショートカットは一切不要! アイコンの多くはメーカーの宣伝チラシ。机の上のごみは気にせず捨ててしまおう!
著者紹介:美崎栄一郎(みさき・えいいちろう)
会社員時代から文房具が好きで、文具術や仕事術に関する書籍を複数出版し、勉強会なども主催。2011年にフリーランスとなり執筆や全国で講演活動などを行っている。本連載の基となった書籍『超iPadバカ 2000種類のアプリをためした男のすごい活用術』(アスコム刊)のほか、著作に『結果を出す人はノートに何を書いているのか』(ナナ・コーポレート・コミュニケーション刊)『iPadバカ』(アスコム刊)、『アイデアは才能では生まれない』(日本経済新聞出版社刊)、『がんばる人ほど見落としている気づかいの極意』(フォレスト出版刊)などがある。
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