さて、3つの低燃費ユニットについて書いてきた。それぞれに一長一短がある。
ハイブリッドは市街地運転に非常に適した仕組みだ。本来は長距離移動に使わないBセグメントや5ナンバーミニバンにこそふさわしい。ところが、それらのクラスはコスト要求が厳しく、価格を折り合わせるのが難しい。一番の課題はそのコストになるだろう。
ディーゼルは比較的オールマイティだ。低速から高速まで不得意なところが少ない。ただしこれもコスト問題を抱えているので、今後どの程度コストダウンが進むかが課題だ。また上述の排ガス問題の一層のクリーン化がいままで以上に求められることは間違いない。そして、この排気ガスの後処理装置こそが高コストの大きな原因となっている。技術的なブレークスルーが待たれるところだ。
小排気量ターボは、高速巡航が多いユーザーには良い選択肢になるだろう。ただし、複雑な可変技術を重層的に積み上げた成り立ちから、コストと洗練性にまだまだ課題がある。正直にいえば、問題の多さで言えばナンバーワンだと言っていいだろう。ただそれだけに改善の余地があるとも言える。
低燃費技術の未来へ向けて、どのシステムもまだ発展途中にあるのである。
1965年神奈川県生まれ。1988年企画室ネコ(現ネコ・パブリッシング)入社。取次営業、自動車雑誌(カー・マガジン、オートメンテナンス、オートカー・ジャパン)の編集、イベント事業などを担当。2006年に退社後スパイス コミニケーションズでビジネスニュースサイト「PRONWEB Watch」編集長に就任。2008年に退社。
現在は編集プロダクション、グラニテを設立し、自動車評論家沢村慎太朗と森慶太による自動車メールマガジン「モータージャーナル」を運営中。
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