土肥: お、怒らないで、最後まで聞いてください(汗)。驚くようなおいしさは感じられませんが、日高屋のラーメンのように飽きがこない味にこだわっているのではないでしょうか。
宮崎: 創業者の宗次徳二はココイチをオープンする前に、有名なカレー店を食べて回りました。有名なカレー店ばかりなので、どこも“おいしい”と感じたそうです。でも、2日続けて食べたいなあと思わなかったそうです。その理由を聞いたところ「高級ステーキみたいなもんだよ」と言っていました。どういう意味か。高級ステーキは確かにおいしい。でも、たまに食べるからおいしいのであって、毎日食べていたら飽きてしまう。
創業者はココイチでどういった味を目指したのか。家庭の味であれば毎日食べても飽きない……しかし、家庭の味のカレーを提供しても、お客さんは喜びません。なぜなら、家庭でつくれるのであれば、家で食べますよね。なので、毎日食べたくなるようで、かつココイチでしか味わうことができない味を目指しました。
土肥: 家庭の味を少し上回るような味を目指されたわけですよね。でも、ここでもうひとつ疑問が出てくるんですよ。「ココイチが儲(もう)かっている。じゃあ、ウチも同じようなカレーを売ってガツガツ稼ごう」といった会社が出てきたのではないでしょうか。
宮崎: そっくりな店がありました。お店の名前は似ていましたし、メニューも似ていましたし、制服も似ていました。でも、その店はやがて潰れてしまいました。
土肥: ということは、食材なのでしょうか?
宮崎: うーん、食材ですかねえ。ルーのレシピを知っている人って少なくて、取締役の私も知りません(苦笑)。食材かもしれませんが、ひょっとしたら「お客さま目線」でやってきたので、ここまで成長することができたのかもしれません。
土肥: 「ウチはお客さま目線でやっている」という会社って多いですよね。でも「本当に?」と疑っている人も多いと思うんですよ。
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