ご一緒に“最高”はいかが? ボジョレー・ヌーボー販売の舞台裏コンビニ探偵! 調査報告書(3/5 ページ)

» 2015年11月14日 07時25分 公開
[川乃もりやITmedia]

ボジョレーの発注は“見切り発車”

 毎年のように「最高のでき」と言われ続けているボジョレーだが、今年のでき具合はどうなのか。

 「ボジョレーの帝王」と呼ばれるフランスの醸造家、ジョルジュ・デュブッフによると、「過去にグレートヴィンテージと言われた2009年を思い起こさせます」「わがワイン人生、最良のヌーボー」だそうだ。

 やっぱり……である。いやいや失礼。今年“も”すばらしいできのようだ。

 この大げさなキャッチコピーに、コンビニは頼らざるを得ないのである。弁当やおにぎりなどのレギュラー商品とは違い、ボジョレーは前日に発注できる商品ではない。セブン-イレブンは特に表記されていないが、ローソンとファミリーマートは予約期間を11月18日までとしている。ボジョレーは予約商品でありながら、実際は“見切り発車”で事前に発注しているのだ。

 あまり知られていないと思うが、コンビニ本部はさらなる見切り発車をしている。どういうことかというと、先にコンビニ本部がある程度の数量を見込んで発注し、その範囲で店舗が発注し、予約のために販促活動をする――という流れだ。

 「本部の発注数量を店舗が消化できなかったらどうするの?」。そんな疑問が浮かんだ読者もいるだろう。

 そこで登場するのが、あの華々しいキャッチコピーだ。

 「今までに最高のできらしいですよ」「醸造家が人生最良とか言っていましたよ」といった感じで、本部が店舗をあおり、店もお客さんをあおるというわけだ。

ボジョレーヌーヴォー2015(出典:ローソンのWebサイト

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