買うのが恥ずかしい鼻毛カッター「イメチェン」の売り方すごい差別化戦略(3/3 ページ)

» 2016年02月25日 06時00分 公開
[大崎孝徳日本実業出版社]
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 筆者の主観的な判断ですが、デザインはスタイリッシュです。また従来、この手の商品はおおむね黒やグレーが主流でしたが、赤、黒、白の3色のバリエーションがあります。グレードも、筆者が購入した「ER-GN10」のほかにも、細身タイプの「ERGN20」や水洗い可能な「ER-GN30」などが1500〜2000円程度の価格でそろっています。

 他社の鼻毛カッターには「iトリマー」という商品があり、一見、携帯音楽プレーヤーなどの電子機器を思わせるようなネーミングおよびデザインが施されているなど、メーカー各社の苦労の跡が見受けられます。

 購入するのが「とても恥ずかしい」商品のイメージを変化させることは極めて困難で、また、そうした商品の市場規模はおそらく、それほど大きくはないでしょう。しかしながら、鼻毛カッターのように「ちょっと恥ずかしい」くらいの商品であれば、

前述のようなマーケティング的工夫を施すことによって、イメージチェンジできる可能性は高いはずです。

 老若男女を問わず、極めて多くの人が消費者になり得る鼻毛カッターの潜在市場の大きさを考えれば、大いに創意工夫しがいがある商品群といえるでしょう。

 潜在市場が大きいにもかかわらず、競合他社がまだ積極的に参入しそうにない市場を狙う差別化は、競争しない戦略の実現に通じるかもしれません。

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