「小さな大企業」を作り上げた町工場のスゴい人たち

安売りをしない「大人ランドセル」が、海外セレブを虜にする理由スピン経済の歩き方(7/7 ページ)

» 2016年03月08日 08時00分 公開
[窪田順生ITmedia]
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大峽製鞄から学ぶこと

 日本人はどうしても「日本の独自の文化、高い技術に外国人がとびついた」というストーリーが好きなので、冒頭の情報番組のように、ブームを受け身でとらえることが多い。だが、「世界に注目をしてもらう」という「待ち」の姿勢ではいつまでたっても、ジャパンブランドの復興はない。

 果たしてわれわれは本当に、自分たちの強みを理解し、それを広めてくれる者たちをターゲットに定めているのか。彼らに日本を知ってもらうための努力をしているのか。最近、メディアでは「日本の技術は世界一」「外国人が絶賛するクールジャパン」という論調がやたらと目につくが、自画自賛ばかりでは、ブランディングはできない。

 どこへ行けば、自分たちの魅力を認めてくれるのか。誰がそれを広めてくれるのか。それを踏まえて自らの価値を落とすことなく、「世界を注目させる」ことに成功した大峽製鞄から、日本のものづくりが学ぶことは多い。

窪田順生氏のプロフィール:

 テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで100件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。

 著書は日本の政治や企業の広報戦略をテーマにした『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。


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