そう考えると、「ふわっ」とした広告が溢れかえるのもしょうがない。
電力自由化の本質をぶっちゃけたら、ベッキーさんどころではないバッシングの嵐にさらされる。産業発展の恩恵は、まわりまわって国民にももたらされるというロジックは、「消費者」にはなかなか伝わらない。かといって、「業界再編」を促すためには、国民の協力が不可欠だ。そうなれば、残るのはいまのような訴求方法しかない。
となると、今後新電力のCMはどんどん過激になっていく可能性が高い。いまのまま契約切り替えが盛り上がりに欠ける中で、とにもかくにも国民を「電力自由化」のムードへ煽動していかなければいけないからだ。
「日本のためでしょ、意気地なし!」
さらに厳しめの口調となった吉田羊さんのお叱りCMをみる日も近いのかもしれない。
テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで100件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。
著書は日本の政治や企業の広報戦略をテーマにした『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。
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