バンタン、“ドローン専門学校”を開校 技術者不足を救えるか「ドローン&ロボティクス専攻」記者発表会レポート

» 2016年08月02日 18時15分 公開
[青柳美帆子ITmedia]

 クリエイティブ分野のスクール運営事業を行うバンタンが、ドローン専門の学校として、バンタン高等学院の新コース「ドローン&ロボティクス専攻」を2017年4月に開校する。また、16年10月からドローン撮影に特化した社会人向けスクール「ドローンパイロット&空撮コース」も開校。両スクールの生徒募集が開始された。

記者発表会に登壇した岡田結実さんもドローンに興奮

 ドローン産業の市場規模は、16年では199億円。しかし2020年には1138億円までの拡大が見込まれている。

 ドローンと言うと、空からの撮影のイメージが強い読者の方が多いかもしれない。しかし、道路の点検・検査や、行方不明者の捜索など、実用性の面でも社会的な意義の面でも注目されている。その一方で、ドローンを扱う技術者が18年にも足りなくなることも予想され、“2018年問題”がささやかれている。

 “ドローン学校”はなぜ生まれたのか? 8月2日、東京都恵比寿のバンタンデザイン研究所セッションタワーで、バンタン高等学院「ドローン&ロボティクス専攻」記者発表会が行われた。

“即戦力”を生むことを目指す

 バンタンが生まれたのは1965年。それから51年間、ファッション、製菓、映画、アニメ、プログラミングなど、さまざまなジャンルの専門教育スクールを展開。またカドカワの運営するN高等学校とも提携し、一部の専攻では高校卒業資格の取得も可能となっている。在校生は16年4月で約6000人、卒業生は約19万人に上る。

 「これまでバンタンは教育を通じて人材育成を行ってきた。ポストスマートフォンビジネスとして注目を集めているドローンでも、“即戦力”を輩出したい」(バンタン代表取締役社長石川広己さん)

野口克也さんがドローンで空撮した写真

 今回新設されるコースは2つで、どちらも定員は20人。全日3年制のバンタン高等学院で学ぶ場合、N高等学校と提携し、国・数・英などの基礎教育とともに、ドローンの操縦技術や、ロボティクス、AI、ディープラーニングなどの関連知識も学んでいく。学費はバンタン高等学院に約110万円(入学金込み/教材費別)、N高等学校に年8〜9万円を支払う。

 また、主に土日に開講される社会人向け(満18歳以上)のコースは、1日3時間×16回の授業を行い、半年でドローンの操縦技術や映像空撮の手法を学ぶ実践的なカリキュラムを組む。学費は40万円(入学金込み/教材費別)。

 ドローンの操縦には国家資格などはないが、ドローン操縦士協会DPA(ディーパ)の認定校であるため、学科および実技試験に合格されたドローン操縦者には、DPA技能認定証が発行される。

 「拡大するドローン産業において、人材を産出することは大きなミッション。バンタンがいかにそのミッションを果たすか期待し、これまでの実績も見て認定した」(同協会理事長小林一郎さん)

ドローンを練習する練習場も用意されている

 授業は、スカイロボット取締役の小松周平さんやCNN代表の安藤嘉康さん、ヘキサメディア代表取締役の野口克也さんらが協力。ロボット工学・実技の専門家を講師として招く。また、バンタン高等学院の他専攻の生徒との共同プロジェクトを行うことも考えられるのだという。

左から、小林一郎さん、小松周平さん、岡田結実さん、石川広己さん、安藤嘉康さん、野口克也さん

現役女子高生は“ドローン学校”をどう思う?

 記者発表会では、現役女子高生タレントの岡田結実さんが“一般高校生代表”として登壇。岡田さんはお笑い芸人ますだおかだの岡田圭右さんの娘として知られている。

 「死ぬまでに一度ドローンをやってみたいと思っていた。高校に入学して一眼レフを買ってもらい、暇さえあれば写真を撮っている。ドローンでも撮影をしてみたい。遊園地がいい」(岡田さん)

 岡田さんは、バンタン石川社長に「ぜひ入学していただきたい」と言われ、恐縮しながらニコニコ。バンタンの制服も似合っている。ドローンのテスト飛行もはしゃぎながらやり遂げた。

 「高校から好きなことを専門的に学べて、バンタン高等学院は夢がある」(岡田さん)

 ちなみに、芸能界でブレークしつつある岡田さんの進路は――というと、大学進学。岡田さんは父の岡田圭右さんに「大学に進学しないと、芸能の仕事はやってはだめ。芸能界は厳しい場所。いつか他に好きなものができたときに、挑戦できるようになってほしい」と伝えられているそうだ。

取材陣に求められ、父のネタを全力でやる岡田さん

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