1967年東京都生まれ。信州大学経済学部卒。1989年アスキー入社、パソコン雑誌・ゲーム雑誌の広告営業を担当。1996年にフリーライターとなる。PCゲーム、PCのカタログ、フリーソフトウェア、鉄道趣味、ファストフード分野で活動中。信州大学大学院工学系研究科博士前期課程修了。著書として『知れば知るほど面白い鉄道雑学157』『A列車で行こう9 公式ガイドブック』、『ぼくは乗り鉄、おでかけ日和。 日本全国列車旅、達人のとっておき33選』など。公式サイト「OFFICE THREE TREES」ブログ:「すぎやまの日々」「汽車旅のしおり」、Twitterアカウント:@Skywave_JP。
教師役で知られる大御所俳優が随筆で「子どもにクルマを蹴らせる」という話を書いていた。クルマは便利だけど、ぶつかったら痛いしケガをする。当たったら死ぬかもしれない。だから「やっつけちゃえ」と言って、子どもに「駐車中のクルマを蹴りなさい」と命じる話だ。
クルマの持ち主には申しわけないと思いつつ、クルマは危ないと認識させる。ボディを蹴ったら傷がついてしまうからタイヤを指定するそうで、俳優さんの人柄を感じさせる。オススメしたい本だけど、ずいぶん昔の話で書名を覚えていない。
クルマは便利だ。ドライブは楽しい。そう思う前に「本質的には危険なもの」と知っておく必要がある。特に子どもは興味があれば本能的に飛び出してしまう。これはクルマだけではない。包丁、ハサミなどの刃物はもちろん、高層階の窓やベランダもしかり。精神的な意味ではインターネットもそうだ。
私のようなマイコン世代は新しい技術が誕生するたびに、さまざまなトラブルを経験してきた。それがインターネットに対する自制心につながっている。しかし、物心が付いたときから当たり前に「便利」を経験してしまうと「危険」を学ぶ機会を失う。
鉄道も本質的には危険な道具である。その危険を克服し安全な交通手段にするために、鉄道に携わる人々は事故から教訓を得て、対策を講じた。現在の鉄道が安全な乗りものになった理由は、事故と対策を繰り返した歴史のたまものだ。しかし、現在も鉄道が危険な道具であることに変わりはなく、鉄道員も利用者も油断してはいけない。
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