アイリスオーヤマはなぜ「家電事業」に参入し、「結果」を出してきたのか水曜インタビュー劇場(家電公演)(3/7 ページ)

» 2016年09月21日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

参入当初はシンプルな商品を開発

超軽量スティッククリーナー、重さは約1.3キログラム

土肥: だから、家電事業に参入した当時の商品は、シンプルな構造のモノが多かったわけですね。

村越: 当時はよく「ジェネリック家電メーカー」(大手家電メーカーの製品と同じ程度の性能をもつが、価格の安い後発の製品)と呼ばれていました。技術力も高くなかったので、「これまでにない新しい機能が付いている」といったモノではなく、シンプルで価格の安い商品を出していました。

土肥: シンプルで価格の安い商品……ということですが、その中からヒット商品が生まれているんですよね。

小林: はい。2015年に発売した「超軽量スティッククリーナー」(以下、スティッククリーナー)の初年度目標は8万台を掲げていましたが、その目標を1.5倍上回りました。

土肥: 掃除機といえば、高機能で吸引力があって……といった商品が話題になりがちですが、この商品の特徴はといえば……「軽い」ことくらい?

小林: 最大の特徴は「軽い」ことですね。約1.3キログラムですので。

土肥: (持ってみて)ふむ、確かに軽い。競合他社の商品は重いモノが多いので、軽さに着目されたのですか? 市場調査を行って、「掃除機のブルー・オーシャン(競争のない未開拓市場)は軽さだ!」と。

村越: いえ、実は……当社はそーいう感じではありません。家電に限らず、日常生活の中で何かヒントを見つけて、それを形にするんですよね。もちろん、他社商品のスペックを比較して、実際に家で使うこともあります。でも、日常生活の中で「あれ、これちょっと使いにくいなあ」と感じたり、「こんな商品があればいいのになあ」と思ったり、ちょっとしたことから開発がスタートするんですよね。

土肥: スティッククリーナーの場合、どういったきっかけで開発したのでしょうか?

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