「泰平の眠りを覚ます上喜撰 たつた四杯で夜も眠れず」
この有名な狂歌を見聞きしたことがある人は多いだろう。1853年、長らく鎖国状態にあった江戸時代の日本に、米国海軍のマシュー・ペリーが率いる東インド艦隊の蒸気船を含む艦船4隻がやって来て開国を迫った、いわゆる「黒船来航」事件をあらわした歌である。
わが国が国際化に向けてようやく動き出したその2年前――。英国のワイト島であるヨットレースが行われた。その後、このレースは脈々と続き、今では「海のF1レース」と呼ばれているのをご存じだろうか。それが世界最古のスポーツトロフィーであり、最高峰の国際ヨットレース「アメリカズカップ(America's Cup)」だ。英国発祥のレースだが、初代優勝が米国の「アメリカ号」だったことから、こうした名称が付いている。
160年以上の長い歴史を持つアメリカズカップがこのたび、予選、本戦を含めて初めてアジアで行われた。11月19〜20日、福岡県福岡市にある地行浜沖を舞台に「第35回 アメリカズカップ・ワールドシリーズ福岡大会」(ワールドシリーズ最終戦)が開催、初日のレースだけで6000人を超える観衆が集まった。
アメリカズカップ本戦は、前回大会の優勝チーム(ディフェンディングチャンピオン)と挑戦チームが1対1で争うマッチレースで、第35回大会は2017年6月に英国領バミューダで開かれる。前回王者はオラクル・チーム・USA(米国)で、その挑戦権をかけて、ランドローバー・BAR(英国)、エミレーツ・チーム・ニュージーランド(ニュージーランド)、グルパマ・チーム・フランス(仏国)、アルテミス・レーシング(スウェーデン)、そしてソフトバンク・チーム・ジャパン(日本)の5チームが争う。
ワールドシリーズは最初の予選レースで、その後、チャレンジャー選抜レースの「クオリファイヤーズ」(2017年5月26日〜6月5日、バミューダ)、チャレンジャー決定レースの「チャレンジャー・プレイオフ」(6月7日〜6月12日、同)を経て挑戦チームが決まる。
ワールドシリーズが終了した現時点で、総合トップに立つのはランドローバー・BAR。ソフトバンク・チーム・ジャパンは5位となっている。
ホークスの日本一に貢献した球団現場の“草の根活動”とは?
早期黒字化も視野に 横浜DeNAベイスターズ、スタジアム買収でどうなる?
市長が語る、「アジアのリーダー都市」を目指す福岡市の現在地
孫社長「何としても勝ちたい」 世界最高峰ヨットレース「アメリカズカップ」予選、福岡で開催 アジア初
昨季は嫌われていたのに、いかにして「名将」になったのか 広島カープの緒方監督Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング