現在、アメリカズカップは3〜4年に一度行われていて、オラクル・チーム・USAは2010年、2013年と2連覇中。中でも2013年はニュージーランドに王手をかけられてから8連勝という驚異的な逆転優勝を果たし、大きな話題となった。
同チームは大手IT企業・米Oracleのラリー・エリソン会長が2000年に立ち上げた。アメリカズカップは優勝者が次の大会ルールを定めることができるため、エリソン会長の強いリーダーシップの下、各国を転戦するワールドシリーズの導入や、高速で走るカタマラン艇(双胴船)の採用など、これまでに数々の改革が行われてきた。
さらに、オラクル・チーム・USA自身に対しても、IT企業ならではの“武器”を生かした取り組みを行っている。それはデータ戦略だ。オラクル・チーム・USAのヨットや選手(クルー)には1000個以上のセンサが付いていて、風速や風向き、風圧、水温、波の高さ、ヨットの角度、選手の心拍数など、さまざまなデータを収集。トレーニングの中でテスト走行しながら集まるデータ量は1日あたり約500ギガバイトに上る。そうして蓄積された膨大なデータを分析して、レースの戦略に生かしているのである。もちろんレース本番中にもデータをリアルタイムで収集、解析して、ヨット本体と並走するチェースボートからコース取りなどの指示を常に選手に送っている。
オラクル・チーム・USAの戦略担当であるアンドルー・キャンベル選手は「これまで選手は良い走りができているかどうかというのは、経験に基づく感触でしか分からなかったが、その裏付けがデータによって示されるようになったのは大きな価値だ」と力を込める。
ホークスの日本一に貢献した球団現場の“草の根活動”とは?
早期黒字化も視野に 横浜DeNAベイスターズ、スタジアム買収でどうなる?
市長が語る、「アジアのリーダー都市」を目指す福岡市の現在地
孫社長「何としても勝ちたい」 世界最高峰ヨットレース「アメリカズカップ」予選、福岡で開催 アジア初
昨季は嫌われていたのに、いかにして「名将」になったのか 広島カープの緒方監督Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング