廃線観光で地域おこし 「日本ロストライン協議会」の使命杉山淳一の「週刊鉄道経済」(4/4 ページ)

» 2017年04月14日 06時20分 公開
[杉山淳一ITmedia]
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懐かしむ廃線跡から、楽しむ廃線跡へ

 鉄道車両を使わない「レールバイク」や「トロッコ」は、鉄道趣味とは言えない。しかし、鉄道ファンの私が神岡のガッタンゴーに乗ってみたら、とてもおもしろかった。線路に近い目線で、自力で走る経験は気分を高揚させる。分岐器を通過すると、自分が鉄道車両になったような感覚。鉄橋もトンネルもそうだ。本物の線路を使った「でんしゃごっこ」の楽しさだった。

 廃止された鉄道線路が、観光資源として生き返ったように思えて感動する。そして汗をかいた。これはスポーツだ。心地良い汗をかいて、風呂に入りたくなった。ここは奥飛騨温泉だ。そうか、ガッタンゴーは、自身のレジャー施設としての収益のほかに、温泉町の付加価値でもあるわけだ。温泉に行きたい、どこに行こう。何かほかにおもしろい施設があるところが良いな、となる。地域に貢献するレジャー施設へ。新たな使命を受けて愛される鉄道がある。それがロストライン・ツーリズムだ。

レールマウンテンバイク「ガッタンゴー」に乗ってみた。レールに乗っているから手放し運転でも大丈夫。左右の景色を楽しめるし、両手でカメラを構えて写真を撮れる。もちろんスマホで自撮りもオッケーだ レールマウンテンバイク「ガッタンゴー」に乗ってみた。レールに乗っているから手放し運転でも大丈夫。左右の景色を楽しめるし、両手でカメラを構えて写真を撮れる。もちろんスマホで自撮りもオッケーだ
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