「塩熱飴」がケタ違いに売れた秘密あの会社のこの商品(3/4 ページ)

» 2017年05月05日 08時15分 公開
[大澤裕司ITmedia]

エンドユーザーのニーズからラインアップを拡大

 その後、ミドリ安全は塩熱飴のラインアップを拡大していく。

 まず2009年3月に、「塩熱飴スポーツ」を発売。スポーツする際にも電解質補給のニーズがあることから開発し、塩熱飴より塩気を抑えた。

 2010年4月に発売された「塩熱サプリ」は、クイックチャージできるようタブレットにした。「なめ終わるまでに時間がかかるので、早く摂りたいというお客さまのニーズに対応したもの」(セフティ&ヘルス統括部環境用品営業部 菊地章悦氏)だという。

 2013年3月には「塩熱グミ」と「塩熱飴アミノプラス」が発売された。塩熱グミは、海外ではサプリメントがグミの形式で提供されていることが多いことをヒントに開発。塩熱飴アミノプラスは、スポーツ時に利用しているユーザーから、体をつくるためにアミノ酸を摂取したいというニーズがあることから開発した。

 2015年4月に発売された「経口補水塩熱飴」は、経口補水液を持ち運びやすくしたもののニーズが確認できたことを受けて開発された。2016年4月には「塩熱サプリくちどけ」を追加。口の中でスーッと溶けるラムネのような食感が特徴で、食べやすさを追求した。「塩熱飴は、個人ではマラソンをされる方によく利用していただいていますが、フルマラソンだと、後半になると疲労困憊(こんぱい)し、サプリでも噛み砕くのがしんどいです。こういう意見から、より食べやすいものとして開発しました」と菊地氏は言う。

 また、経口補水塩熱飴までは、フレーバーをレモンのみとし、飴、タブレット、グミと食感の違いでバリエーションを増やしたが、「レモン以外のフレーバーが欲しい」という声を受け、塩熱サプリくちどけでは一袋にレモンジンジャー、青リンゴジンジャー、グレープジンジャーの3種を封入。食感だけでなくフレーバーでもバリエーションを増やし、さらに飽きずに摂取し続けられるようにした。

 そして2017年3月に、「塩熱飴PRO」が発売される。塩熱飴、塩熱飴スポーツ、塩熱飴アミノプラスの3種を統合、リニューアルしたもので、電解質やビタミンといった成分にこだわって開発したことを伝えるために、PROと名付けた。一袋にレモン、ウメ、アセロラの3種のフレーバーを封入。試作段階では30種類ほどのフレーバーをテストしたという。

左から「塩熱飴」「塩熱飴スポーツ」「塩熱飴アミノプラス」。これら3種は現在、統廃合され、「塩熱飴PRO」にリニューアルされた

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