「塩熱飴」がケタ違いに売れた秘密あの会社のこの商品(4/4 ページ)

» 2017年05月05日 08時15分 公開
[大澤裕司ITmedia]
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これからも、働く人のためのプロ商品でありたい

 塩熱飴はネット通販をはじめ、一部のスポーツショップやホームセンターでも販売されており、個人でも簡単に購入できる。販路の整備と同時に、ミドリ安全は個人ユーザー向けの啓蒙(けいもう)も怠らなかった。東京マラソンのような国内の主要なマラソン大会に協賛し、ランナー塩熱飴シリーズを供給しているほか、マラソン雑誌『ランナーズ』にも定期的に広告を出稿しているという。

 個人ユーザーでも購入できるものの、安田氏は「これからも、働く人のためのプロ商品として提供していきたい」と話す。販路についてはコンビニなど大量に売るためのルートを検討したこともあったが、大量に売ることよりも必要としている人に確実に届けることを重視した。

 ただ、塩分補給をウリにした飴が増えたことに加え、製造業のみならずサービス産業のユーザーにも広がったことで、「市場はやや飽和状態になりつつある」と安田氏。塩熱飴シリーズの年間売上は現在、4億円ほどだが、さらに拡大するためには、エンドユーザーから新たなニーズをくみ取り、素早く新商品で対応することにかかっているといえそうだ。

事業を担当するミドリ安全の安田一成氏(左)と菊地章悦氏(右)

著者プロフィール:

大澤裕司(おおさわ・ゆうじ)

 フリーランスライター。1969年生まれ。月刊誌の編集などを経て、2005年に独立してフリーに。工場にまつわること全般、商品開発、技術開発、IT(主に基幹系システム、製造業向けITツール)、中小企業、などをテーマに、雑誌やWebサイトなどで執筆活動を行なっている。著書に『これがドクソー企業だ』(発明推進協会)がある。


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