「アイコスの受動喫煙被害はない」――フィリップモリスが発表のワケ臨床試験結果を公表(2/2 ページ)

» 2018年04月24日 17時14分 公開
[濱口翔太郎ITmedia]
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臨床試験で苦戦脱却なるか

 PMIが日本でこうした試験結果を報告する背景には、日本市場における競争の激化がある。同社はアイコスを16年4月に他社に先駆けて販売。市場シェアを独占していたが、英British American Tobaccoが17年秋に加熱式たばこ「glo(グロー)」の全国販売を開始。日本たばこ産業(JT)も「Ploom TECH(プルームテック)」の販売エリアを札幌市、大阪市、横浜市、仙台市などに拡大し、着実にシェアを伸ばしている。

photo JTの加熱式たばこ「Ploom TECH」(=公式Webサイトより)

 井上副社長によると、1月末時点でのアイコスの市場シェアは16.8%。同氏は「この数値は順調で、シェアをさらに伸ばしたい」とし、「ゆくゆくは全ての喫煙者にアイコスへの切り替えをすすめ、紙巻きたばこから撤退したい」とまで語った。

 ただ、PMIは今月中旬に実施した18年1〜3月期の決算発表で、アイコスが日本市場で伸び悩んでいる旨を公表。株価が急落する一幕もあった。

 好調から一転し、苦戦を強いられているPMI。こうした臨床試験によって“安全・安心”とのイメージを定着させ、日本でのアイコス人気を盛り返せるか。

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