接客の仕事は障がい者には不可能と思われていた。だが、客との応対で失敗することはあるものの、経験を積むことが仕事に対する自信につながっており、離職率も低いという。勤務時間によってバラツキはあるものの、カフェで勤務した収入は平均で月収14万円以上にはなっている。
第一生命は、障がい者を積極的に採用するだけでなく、入社後のフォロー面談、人権研修による障がい者理解などを通じて、働きやすい職場環境作りに取り組む。06年には障がい者雇用のために特例子会社「第一生命チャレンジド」を設立した。印刷、書類発送、清掃、喫茶、データ入力などの業務を、知的、精神障がい者を中心とした180人以上の障がいのある社員が行っている。設立の翌年から、本店内に社内の福利厚生を目的とした、障がい者が働くカフェを運営。現在は複数の本店ビルに3店舗を展開している。
障がい者がレストラン、カフェなどで働く飲食サービスを、最初に始めたのがヤマト運輸の故・小倉昌男元社長だ。ベーカリーチェーン「スワン」を98年に設立。障がい者の自立と社会参加の支援を目的としてヤマト福祉財団を設立したのが始まりで、いまでは約350人の障がい者が働いている。
直営の店が4店、加盟店が22店で、関東を中心に展開する。勤務時間は早番と遅番がある。銀座店は午前7時半には開店するため、スタート時間は早い。朝の時間帯には、店内で朝食をとる来店客も多く、パン以外にコーヒーなどの飲み物も頼むため、サービスには手際の良さも要求される。店員は知的障がい者が7〜8割を占め、女性の比率が多いという。
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