土肥: 「タテ・ヨコ・ナナメ」のコミュニケーションが生まれるために、何か工夫をしているのでしょうか?
田村: 先輩と後輩はどうすれば接する時間を増やすことができるのか。部門の違った人でもどうすれば会話をすることができるのか。そんなきっかけをつくるために施設の中に、さまざまな工夫を施しました。
例えば、食堂。アンケートを行ったところ、以前の寮では「食堂の料理がおいしくない」といった答えが多かったので、新しい寮では見直すことに。おいしい料理を食べながらであれば、気軽に語り合えるかもしれない。複数の人に味見をしてもらって、業者を選びました。移転後、アンケートを行ったところ「食事がおいしくなった」といった声が増えました。
以前の寮で食堂を利用する際、前日までに申し込む必要がありました。当日、何らかの事情で食べられなくなっても、料金を支払う必要があったんですよね。料理があまりおいしくない、食べることができなくても料金を支払わなければいけない、こうした不満があって、食堂を利用している人は7%ほどしかいませんでした。
健康経営の観点からも「このままではいけない。利用者を増やそう」ということで、前日申し込み制を廃止しました。当日、食事をしたいなあと思ったら、ふらっと食堂に寄ってそこで食べることができる。電子マネーで支払うことができ、食堂内にチャージ機も備えました。料理をおいしくしただけでなく、使い勝手もよくしたことで、現在の利用率は30%ほどに上昇しました。ちなみに料金は、朝食が200円、夕食が400円です(いずれも税込)。
土肥: ふむふむ。
田村: 新しい寮を建設するにあたってアンケートを行ったところ、「自分たちで料理ができるスペースをつくってほしい」という声もありました。この意見を受けて、食堂の一角にシェアキッチンを完備しました。先日、何人かがシェアキッチンを使っていたので、何をしているのかなあと思って聞いたところ「週末にバーベーキューを行うので、食材を用意している」と言っていました。
土肥: 昔の男性独身寮では考えられないスペースですね。若い人たちが集まって料理をするなんて(時代は変わった)。
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