#SHIFT

働き方や組織を変えたいのなら「混乱」をつくろう脱・いつものセカイ(1/4 ページ)

» 2018年07月18日 07時15分 公開
[世羅侑未ITmedia]

 私はプロノイア・グループという会社で、企業の働き方や文化変革に関するコンサルティングの仕事をしています。そうした仕事柄、会社や社員の変革に取り組んでいる人から日々相談を受けます。

 働き方を変えたい、会社の文化を変えたい、マネジャーに変わってほしい……。そう思っていろいろと施策を考えては頑張って取り組んでいるのに、なかなか変わらない。読者の中にもそうした方は多いのではないでしょうか。

 このような悩みに対して、私たちは明確な答えを持っています。私たちの会社の大切な文化の1つとしても掲げています。

 変化を起こしたいなら「魔法」が必要です。その魔法とは、「セカイをとめる魔法」です。……いったい、どういうことでしょうか?

セカイをとめる一例。「笑ってはいけないプロノイアーズ」と題して、おもしろメガネをかけて定例会をする。一番笑った人がお菓子の買い出し セカイをとめる一例。「笑ってはいけないプロノイアーズ」と題して、おもしろメガネをかけて定例会をする。一番笑った人がお菓子の買い出し

こんなに頑張っているのに、なぜ変わらないのか?

 そもそも、なぜ、こんなに一生懸命に働きかけているのに、うまく変化を作れないのか? そう悩んでいる担当者やリーダーの方から話を聞くと、実は共通した状況が見えてきます。

 例えば、マネジャーの態度を変えたいという要望があります。文句をたくさん言うばかりで受身になっている中間マネジャー(中間管理職)に、もっと責任感をもって自主的に物事を考えるようになってほしい。そのために、人事や経営陣の方が、新しい研修を導入したり、マネジャーに求める資質を再定義して伝えたりと、いろいろとやってみる会社は多いでしょう。

 こうした取り組みの中で、当然、マネジャーから、「なんでこんなに忙しいのに研修に行かなくてはいけないんですか?」と、いつものように受け身の質問が来る。この「いつものパターン」に対して、多くの担当者は、「あぁ、また来たな」と思いながらも、結局いつものように、必死になって質問の答え(=研修が必要である理由)を自ら説明してしまうんです。

 いつものように反抗して、いつものように説明が返ってくる。マネジャーの受け身の態度を変えましょうと言っているはずの担当者の行動が、また「いつものセカイ」を再生産している。実は、この矛盾の構造こそが、変化の扉を永遠に閉ざしています。

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