NHK「夏休み子ども科学電話相談」の仕掛人に、舞台裏を聞いてきた水曜インタビュー劇場(質問公演)(5/7 ページ)

» 2018年08月22日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

質問を考えてきました

土肥: 過去の子どもの質問を見ると、いまとそれほど大きな違いはありません。「人の心はどこにあるのですか?」とか「水の中の空気が丸いのは、どうして?」といったことを聞いている。専門家でないワタシはどの時代のどの質問を聞いても、タジタジになってしまうのですが、ここ数年この番組はよく話題になっていますよね。SNSでの拡散だけでなく、質問も増えているようですし、聞き逃しサービスでの視聴数も伸びているようで。こうした現象をどのように分析していますか?

東京都渋谷区にあるNHK放送センター

大野: 正確な分析はまだできていないのですが、ラジオの聞き逃しサービスの効果が大きいのではないでしょうか。数年前にNHKラジオの「らじる★らじる」で、番組の聞き逃しサービスがスタートしました。これによって、あとから番組の聞き直しができるようになりました。また、民間が運営している「radiko.jp(ラジコ)」でも、現在オンエアを聞けますし、近いうちには、放送終了後に番組を聞くことができるようにも計画中です。

 ライブで番組を聞いた人が面白いと感じて、SNSに書き込む。それを読んで興味をもった人はどうするのか。以前であればあきらめるしかなかったのですが、今は違う。聞き逃しサービスで、面白そうなところを聞くことができることも、この番組の人気をさらに高めているように思います。

 例えば、今年であれば「ダイオウイカはどうやって釣るの?」といった質問が、SNS上で大きな話題になりました。ダイオウイカに興味をもった人が、聞き逃しサービスで聞く。そして、聞いた感想をSNS上に書く。違う質問が面白かったらそのことも書く。それを読んだ人がまた……といった感じで、どんどん拡散する傾向があります。時間という規制を超えて、子どもと先生のやりとりを何度も楽しむことができるようになったので、以前よりも視聴者数が増え、話題になることも多くなったのではないでしょうか。

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