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株主総会の出席者が減少中、「お土産廃止」が影響か 菓子配布をやめたKDDIは700人減出席者が多かった企業は?

» 2018年09月13日 18時43分 公開
[ITmedia]

 上場企業の株主総会に出席する人が減っている――。東洋経済新報社の調査でこんな事実が分かった。2018年の出席者は平均216人で、前年から21人減っていた。同社は「遠方に住んでおり、会場に来られない株主との不公平感をなくすため、お土産を配るのをやめる企業が増えていることが一因ではないか」とみる。

 同社によると、建設機械メーカーのコマツが時計用スタンドの配布をやめたところ、18年は前年(2320人)の半分以下となる993人に減ったという。また、KDDIがお菓子の配布をやめたところ、2316人から706人に減少したとしている。

 2社のほか、三菱商事、第一生命ホールディングス、アステラス製薬など計100社がお土産の配布をやめていた。

photo KDDIの株主総会招集通知。下部に「お土産は取りやめとさせていただきます」とある

 一方、化粧品メーカーのファンケルでは、例年通り化粧品のお土産を配ったものの、株価が上昇した影響で保有株式を売却する人が多かったため、出席者数は前年から1965人減ったという。

 自社製品、お菓子、「Quoカード」など、1000円相当のお土産を設けている企業は396社だった。5000円相当のお土産を配っている企業も10社あった、

株主総会への出席者が多かった企業は?

 では、株主総会への参加者が多かった企業は? 調査によると、1位は日本たばこ産業(JT)の6020人(前年比1515人増)。2位はパナソニックの5672人(94人増)、3位はトヨタ自動車の5258人(31人増)、4位はNTTドコモの4209人(451人増)、5位は日産自動車(1938人増)――という結果だった。

 各社の株主とみられる人物が運営するブログなどによると、JTはお菓子、パナソニックは自社製品、トヨタ自動車は自社製品のミニカー、NTTドコモは移動基地局車のミニカーなどのお土産がもらえるようだ。

 日産自動車はお土産を配布していないが、株主総会終了後に立食形式の株主懇談会を開催している。

photo 株主総会の参加者・所要時間ランキング(=東洋経済新報社調べ)

 また、東洋経済新報社が株主総会の所要時間を調べたところ、トップは関西電力の3時間23分だった。2位はシェアハウスを巡る不適切融資が発覚したスルガ銀行で、3時間15分。スルガ銀の株主総会は、前年は32分で終わっていたが、18年は「株主から経営責任を追及する意見が相次ぎ、“マラソン総会”となった」という。

 調査は全上場企業を対象に実施し、約6割に相当する2146社から有効回答を得た。

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