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シニアが変えた「奇跡の町工場」　加藤製作所の働き方改革：日本一の高齢者雇用企業（5/5 ページ）

» 2018年09月21日 07時30分公開

[石山恒貴，ITmedia]

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経営者の姿勢

加藤製作所の加藤景司社長

　こうした画期的な取り組みが成功する要因の1つとして、経営者の姿勢が大きいのではないだろうか。筆者は、社会人大学院で、雇用や人材育成を研究している。ゼミ生で、博士課程の学生が加藤製作所を研究しているため、2017年の夏合宿で訪問させていただいた。

　その際の、加藤社長の気配りと親切さは忘れられないものだった。会社見学のみならず、ゼミ生の宿の予約・手配まで気を配り、合宿終了後は、翌日に手書きのお礼状までいただいた。まさに「喜びから喜びへ」という人の絆を大事にする会社の経営理念を体現されている方だと感じた。

　だからこそ、社内外の試練を乗り切り、社内に「定年後まで安心して働ける会社になります」と真摯に呼びかけ、社内の理解を得ることもできたのだろう。高齢者雇用の実現にまず求められるものは、経営者の熱意なのかもしれない。

著者プロフィール

石山恒貴（いしやまのぶたか）

法政大学大学院政策創造研究科教授。一橋大学社会学部卒業、産業能率大学大学院経営情報学研究科経営情報学専攻修士課程修了、法政大学大学院政策創造研究科政策創造専攻博士後期課程修了、博士（政策学）。一橋大学卒業後、NEC、GE、米系ライフサイエンス会社を経て、現職。越境的学習、キャリア開発、人的資源管理等が研究領域。人材育成学会理事、フリーランス協会アドバイザリーボード。主な著書：『越境的学習のメカニズム』福村出版、2018年、『パラレルキャリアを始めよう！』ダイヤモンド社、2015年。主な論文：Role of knowledge brokers in communities of practice in Japan, Journal of Knowledge Management, Vol.20,No.6,2016.

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