会社で応援される人に、どのような傾向があるのか。信頼、誠実、謙虚など、さまざまな言葉が浮かんでくるが、やはり一生懸命仕事をする人は応援されやすい。そして、絶対に欠かせないのが「結果」である。
例えば、「営業の成績が伸び悩んでいる」人は、どのようにすれば売り上げを伸ばすことができるのか。結果を残すためには、何をすればいいのか。本特集「応援される営業術」では、営業経験者ではなく、さまざまな業界で活躍している人にアドバイスをいただく。
どうすればピンチを脱出できるのか、どうすれば成長できるのか、どうすれば未来を描けるのか。課題を克服するヒントをつかんでいただければ幸いだ。
書籍『おもてなし幻想 デジタル時代の顧客満足と収益の関係』(実業之日本社)の内容を凝縮しお伝えしている本コラム。メインテーマである「なぜ”喜びの戦略”は割に合わないのか」「いかにして顧客努力の軽減を図るか」については、第1回、第2回のコラムを参照いただきつつ、第3回となる今回は、これからの“おもてなし”のあり方について深く掘り下げていきたい。
これからの“おもてなし”のあり方は? (写真提供:Getty Images)
成熟化した市場で競争に勝ち抜くためには、当然ながらいかに他社と差別化し、シェアを奪取することが重要である。商品での差別化が難しくなった企業の多くが、顧客の期待を上回るサービスで顧客を感動させ顧客ロイヤルティーを高めるという、サービスでの差別化戦略をとるようになった。
その結果、顧客ロイヤルティーの獲得競争はサービス本来の合理性から一人歩きし、足し算的にサービスを付加していくことを助長していった。ディズニーランドにおける感動接客や、楽天市場の読み応えのあるサイト構成も、そうした足し算的発想の先にあったものと考えれば納得がいく。
しかし、顧客の期待値を大きく上回った時に一気に顧客ロイヤルティーが高まるというホッケースティックモデルは、必ずしも当てはまらないことが分かりつつある。期待以上のサービスを受けた顧客と、期待が満たされただけの顧客のロイヤルティーにはほとんど差がないどころか、カスタマーエクスペリエンスは顧客のロイヤルティーよりもディスロイヤルティーを促進する可能性が4倍高いという結果は、ある意味残酷とも言える現実である(関連記事)。そして、高いおもてなしこそが顧客ロイヤルティーを高めるという「おもてなし神話」と引き換えに浮かび上がってきた強力なキーワードが「顧客努力の軽減」である。
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