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» 2018年10月02日 08時08分 公開

スピン経済の歩き方:それでも貴乃花親方を叩く人たちをつくりだす「事大主義」という病 (2/6)

[窪田順生,ITmedia]

なぜ貴乃花親方は叩かれるのか

 なんてことを言うと、「こいつは貴乃花シンパだ!」となって、ここから先は何も言っても「と、相撲協会のアンチが言いました」と聞く耳を持っていただけないのでしっかりと釈明をさせていただくと、親方に特に肩入れをしているわけではない。と言うより、相撲にそんなに興味もないので、この世界がどうなろうとも知ったことではないし、誰が権力を握ってもあまり関心もないのだ。

 興味があるのはただひとつ、なぜこの人がここまで叩かれるのかということだ。

 「洗脳されている」「目つきがヤバい」などの誹謗(ひぼう)中傷を除外すると、ネットなどで散見される「貴乃花批判」のパターンは主に以下のような感じである。

 「改革すると大見得切ったのに、自分の思い通りにならないから辞めるなんて我慢が足りない」

 「弟子のため、弟子のためと言いながら、部屋を存続させないのは無責任すぎる」

 「一兵卒になると宣言したくせに、自分の非を認めて一門に入れてもらおうとしないなんてプライドが高すぎる」

 筆者はこれまで報道対策アドバイザーとして、スキャンダル政治家や不倫タレントや不祥事企業など、ありとあらゆる「叩かれる人」を研究してきた。だが、そういう人たちと比べると、親方はやや異なり、かなりトリッキーな叩かれ方をしているのだ。

 ご自身が不正を行なったり何かモラルに反したりしたわけではない。むしろ、弟子が横綱たちに密室でボコボコにされるという理不尽な暴力を受けた「被害者」だ。にもかかわらず、一部の人たちからは暴行を行った日馬富士や、その事実をネグろうとした相撲協会と同じか、それ以上の「罪人」扱いとなっている。

 「協会もダメだけど、貴乃花も悪いよね」「信念を貫くのは立派だけど頑なすぎてダメ」「もっと世渡り上手にやればいいんだよ」。

 このように貴乃花親方に苦言を呈する人たちの「ロジック」のムダな贅肉を削ぎ落としていくと、最終的にはこの一言にすべて集約される。

 「組織に従わないのがけしからん」

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