この転身ポエムをどう楽しめばいいのだろうか。まずは、転身先と転身理由を読み込むことだ。その上で、全文を読むと、論理の矛盾に気付くことがある。会社に対する愛を叫びつつも、結局、今の部署や上司に合わなかったのでは? など、いくつかの疑問がわいてくるはず。感動的な言葉で装いつつも、本音を垣間見ることができるのだ。
その人のこれまでの異動歴も、ケーススタディとして学ぶことができる。輝いていた時期が浮き彫りになるほか、退職理由そのものが怪しくなってくることも。今の部署や仕事が楽しくなかったのではないか、と。
SNSにおいては、「いいね!」の数もそうだが、誰が押しているのか、どんなコメントをしているのかも注目だ。プチ著名人の場合や、交友関係が広い人は社外からの「いいね!」が多い。もちろん、在籍者数も関係してくるが、同僚からの「いいね!」が極端に少なければ、社内で浮いているのではないかという疑問もわいてくる。
さらに、コメントを読むと味わいが増す。感謝から叱咤激励までさまざまな言葉が躍っているが、ここぞとばかりに目立とうとする輩や、いちいち感動的なレスをしている様子を発見すると、お宝に出会ったような感動すら覚えるのだ。
まだまだ、攻撃の手を緩めてはいけない。転身ポエムの楽しみ方としては、入門編だからである。異動や転職などを繰り返している人は、その時点の転身ポエムを読むと、さらに深みが増すのである。言っていることがコロコロ変わっているとか、辞めグセとか、もろもろ見えてるので、ぜひ実践していただきたい。
このように他人の転身ポエムをディスっていると、「じゃあ、お前はどうなんだ」とブーメランが飛んできそうである。ごめんなさい、やっていました。完落ちである。サラリーマン時代には退職ポエムを書いていたし、今の大学に就職する際にも決意表明ポエムをつづっていた。
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