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» 2018年11月09日 08時30分 公開

2カ月、5万円で会社設立! 「社会保険料の節約」に悪戦苦闘した元公務員の“生存戦略”元国税局職員が明かす「サバイバル術」(5/6 ページ)

[小林義崇ITmedia]

5万円の内訳

 ここまでの話をまとめよう。私が会社を設立する際に支払った初期費用の内訳は以下の通りだ。合計すると約5万円。これ以上抑えるのは難しいだろう。

 なお、この他に出資金として100万円も用意したが、これは会社に残るお金であり、後々自分への給料や経費の支払いに充てるものであるため、初期費用の内訳からは除いている。

  • 登録免許税 3万円
  • 印鑑代   約1.5万円
  • 登記事項証明書の発行費用 600円
  • 法務局への交通費 約1000円
  • 創業塾の受講費 6000円

年金事務所職員の善意による「予期せぬすれ違い」

 法務局に会社設立の申請書などを持ち込めたのは8月27日だった。そこから書類審査期間を経て、社会保険の加入手続きに必要な「登記事項証明書」を発行できるようになったのが、8月30日。

 私は慌てていた。国民健康保険から社会保険に切り替えるためには、月末までに年金事務所で社会保険加入の手続きをしなくてはならない。先ほど記したように、社会保険の加入日が9月になると、1カ月分の国民健康保険や国民年金の保険料を納付しなければならず、4万円も損をする状況だ。ぜひとも月末までに手続きを済ませたかった。

 結局、年金事務所に行けたのは、8月31日だった。ギリギリである。なんとか間に合ったことに安堵し、「あとは書類を出すだけ」という状況の中、窓口で記入をしていたわけだが、そのときに女性の職員から声をかけられた。たしかこんな内容だったと記憶している。

 「会社は設立されたばかりですよね? だったら9月から社会保険に加入するのでも問題ないですよ」

 私はその人の言わんとすることが分からず、「いえ、8月加入で大丈夫です」と答えたが、それでも「9月のほうがいいと思います」と譲らない。

 私はできるだけ早く社会保険に加入したい。

 ところが職員は私の社会保険加入を遅らせようとしている。

 しかも、職員の態度に微かな善意を感じる……。

 ここで私は認識のズレに気が付いた。世間一般の経営者の立場としては、「社会保険はできるだけ入りたくないもの」なのだ。従業員を抱えていれば、従業員全員の社会保険料の半額を会社で負担しなくてはならないわけだから、その気持ちも分かる。

 だからこそ、職員の方は良かれと思って9月加入を勧めていたわけだが、私の場合は状況が違う。従業員なんてどこにもいないのだ。そこで改めて職員の方に以下のことを伝えた。

  • 会社に勤務するのは、私と妻だけである
  • 妻は扶養に入れる
  • 私の給料も低く設定している
  • 子どもが3人いる

 すると、こちらの事情を理解していただくことができ、晴れて希望通り8月31日付で社会保険に加入することができた。あとは放っておいても毎月の社会保険料は少なくなる。今後の売上金額にもよるが、社会保険料の節約額は年間50万円を超えるだろう。

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