小売り側の混乱が予想される一方、消費者も税率の差には敏感になってきている。リクルートライフスタイル(東京・千代田)の研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」が8月に行ったネット調査によると、「食事をする際に消費税と軽減税率の差(である)2パーセントを気にする」と回答した人は全体の67.4パーセントに上った。
低所得者向けの税負担軽減が目的だったものの、政治の都合から外食と飲食料品で画一的な線引きが引かれてしまったとされる今回の軽減税率。青木教授も「いっそ外食も8パーセントに入れれば良かった。どんな消費のされ方をしても『一物一価』で同じ値段にする方が事業者に分かりやすかった」と指摘する一方、「どこの国でも似たような混乱はある。今後、落としどころを探っていくのだろう」とみる。
コンビニをはじめ、「中食」と呼ばれる総菜を店内で食べるイートイン方式は、外食より手軽で割安な点が人気なこともあり、小売り業界の重要な収益源として近年もてはやされてきた。スーパーでは店内で売られている食材を調理して客に食べさせる「グローサラント」業態が注目されるなど、小売りと外食の垣根はあいまいになりつつある。そんな消費トレンドに冷や水を浴びせそうな今回の軽減税率は、果たしてうまく浸透するか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング