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» 2018年12月18日 06時45分 公開

“ワクワク”働けない日本の働き方改革に欠落している「QoW」とは?ここが変だよ、日本の「働き方改革」(2/4 ページ)

[伊藤慎介,ITmedia]

優れたオフィス環境がワクワクする商品やサービスを生む

 ワクワクする商品やサービスを生む、従業員満足度を高めるという意味では、日本の多くのオフィス環境は十分に機能を果たせていないと感じる。

 10年ほど前に米国・シリコンバレーの「グーグルキャンパス」を訪問したことがある。あまりにも素晴らしいオフィス環境であることをうらやましく思った。カフェテリアは全て無料で、健康や宗教などを考慮したあらゆる種類の食事が用意されており、社員のオフィススペースは内装も含めて個人が創意工夫を凝らせるようになっていた。

シリコンバレーにある「グーグルキャンパス」(出典:Wikipedia) シリコンバレーにある「グーグルキャンパス」(出典:Wikipedia

 2017年に訪問したSAPのシリコンバレーオフィスもそうだった。立ったまま議論ができる部屋、ホワイトボードに囲まれていてブレーンストーミングがやりやすい部屋など、さまざまなユニークな会議室があり、個人のオフィスはそれぞれの社員が自由にカスタマイズできると聞いた。なぜそういう自由度の高いオフィス環境を用意しているのかと聞いたところ、建築家から「未完成なオフィス環境にすることで創造力が高まる」とアドバイスされたからだという。

 働き手がその場所で働きたくなる環境を自分の手で構築できれば、職場で頑張ろうという意欲が生まれ、創造力などのアウトプット向上につながるのだろう。

 ところが、日本のオフィス環境はどうだろうか。

 これまで多くの会社を訪問させていただく機会があったが、ショールーム的にクリエイティブなオフィス環境を作り出している一部のオフィススペースを除けば、画一的なオフィス環境になっている会社が大半だと思う。最近は大手町、丸の内、日本橋に次々と新しいオフィスビルが建築されている。新品に囲まれた綺麗なオフィスであることは間違いないが、グーグルやSAPで感じた「出勤することが楽しくなる」職場になっている会社がどれくらいあるだろうか。

 情報技術が急速に進化して、物理的に“出勤する”意味がどんどんなくなってきている今の時代だからこそ、あえて“出勤したくなる”オフィス環境を整えることが会社には強く求められている。経営者が社屋や全体のオフィススペースをデザインし、社員が自身のオフィススペースや会議室を自由にレイアウトしていく。そういう活動を繰り返していくことが“会社の顔”を作り上げていくのではないだろうか。実際にシリコンバレーでアップルやエヌビディアの新社屋を見てそう感じた。

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