インタビュー
» 2019年01月02日 09時25分 公開

「現金お断りの店」は、その後どうなったのか? ロイヤルHDの実験水曜インタビュー劇場(キャッシュレス公演)(3/5 ページ)

[土肥義則ITmedia]

売り上げの管理・報告業務は「ほぼゼロ」

土肥: 「現金お断り」であることを掲げて、釣り銭も用意していない。ということは、店にお金は置いていないのですか?

野々村: 店内にお金があると、金庫が必要になりますよね。キャッシュレスの店はお金がないので、金庫がありません。飲食店で働いた経験がある人は理解できると思うのですが、店に金庫があるとプレッシャーを感じるんですよね。「カギはどこに置けばいいのか」「不審者が入店した場合、どのように対応すればいいのか」など、さまざまなことを考えなければいけません。

 また、お金を扱っていると、釣り銭を準備して、入金をして、売り上げを管理しなければいけません。閉店後、店は発注、掃除、レジ締めなどを行わなければいけませんが、レジ締めだけは「明日でいいか」と先送りすることはできません。確定した数字をきちんと本部に報告しなければいけないのですが、人がやっていることなので、どうしても過不足が発生するんですよね。1000円少なかったり、1000円多かったり。ミスをゼロにすることは難しい。

 じゃあ、実験店ではどうやっているのか。閉店後、売上金などを本部に報告するだけ。これもタブレット端末から行えるので、数秒で終了することができるんですよね。というわけで、売り上げの管理・報告業務は「ほぼゼロ」と言っていいでしょう。こうした業務は1日に40分ほどかかるのですが、その仕事から解放されたことで、店長や責任者は「接客にチカラを入れることができるようになった」と言っていました。

土肥: ふむふむ。

テクノロジーのチカラを使って、生産性を向上させるだけでなく、働き方改革も目指すという

野々村: キャッシュレスにすればペーパーレスもできるのではないか、といった声があって、実際にやってみるとすぐにできました。なぜか。売り上げの伝票はいりませんし、入金帳も不要ですし、報告書もない。店長の机を見ていただけますか?

土肥: 何もない。店内に紙は1枚もない?

野々村: いえ、対外的にどうしても必要なモノがあるんですよね。店側が「ペーパーレスだ」と言っても、先方が紙でしか受け付けない場合もあるので、そうした書類については紙を用意しています。

土肥: 決済手段はどのような感じですか?

野々村: 時間帯によって違いますね。ランチのときは、クレジットカードと電子マネーが半々といった感じ。電子マネーは少額でも使いやすいことと、かざせばすぐに決済できるので、手軽さがうけているのではないでしょうか。一方、ディナーのときは、クレジットカードを利用する人が7割ほど。夜は金額が高くなる傾向があるので、クレジットカードを利用する人が多いですね。ちなみに、QRコード決済は1割ほど。ポイント還元などキャンペーンを行っているときは、利用者が増える傾向がありますね。

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