ごみピットは、5階建てのビルがすっぽりと入る大きさで、武蔵野市の6日分のごみをためることができる。収集するごみの量は1日で約100トンに上る。2階からピットの底までは深さ23メートルもあり、ピットの幅は11メートル、奥行きは19メートル。その中で1台の巨大クレーンがゆっくりと動き、ごみを一気につかむ。かなりの迫力だ。
クレーンは自動運転でごみをつかみ、ピットの奥にある焼却炉の入り口に運ぶ。ただ、昼間は地下のプラットホームから次々とごみが投入されるため、職員がクレーンを操縦して、投入口付近にあるごみを移動させるという。夜間は完全な自動運転となる。
クレーンの動きを眺めていると、すぐにあることに気が付いた。クレーンは、大量につかんだごみをすぐに焼却炉に入れるわけではなく、高く持ち上げてはまたピット内に落とすことを繰り返している。何をしているのか担当者に尋ねてみると、「ごみを攪拌(かくはん)しているんです」と返ってきた。ごみの塊をほぐして、均一に燃えるようにしているのだという。30分に1回、ごみを焼却炉に投入する。
目の前にあるのはごみの山。それなのに、ずっと眺めていられた。イベントの参加者たちも、クレーンがごみを持ち上げるタイミングを見計らって、スマートフォンで撮影し、喜んでいた。ただ、当然だが、ごみが山になるのはそれぞれの家庭が確実にごみを出しているから。自分が出すのはたった1袋でも、それを処理するのにここまで大掛かりな設備が必要だということを実感させられた。
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