米Amazonの無人決済店舗「Amazon Go」や中国の「ビンゴボックス」など、小売り店舗の無人化が世界的に話題だ。日本では2018年にJR東日本が赤羽駅で実証実験を行うなど、部分的な取り組みが発表されている。ただ、コンビニ各社が完全な無人化店舗を展開するには至っていない。少子高齢化で人手不足が慢性化している日本だが、街のコンビニから従業員が消える日は来るのか。
「無人化店舗は今現在、全然考えていない。接客というところがコンビニにとっては一番大事」。18年12月、東京都港区で開かれたセブン-イレブン・ジャパンの省人型店舗の発表会。無人でなくあくまで「省人化」した店舗を打ち出す狙いについて、同社の古屋一樹社長はこう断じた。
同社がこの日発表したのは約26平方メートルの小型店舗。通常2〜3人常駐する従業員は1人しか必要ない。入り口に顔認証システムを設けた一方、レジはなし。支払いは店内の機器で商品のバーコードを読み取り、顔認証と連携することで完了する。商品の発注業務にも人工知能(AI)を取り入れて業務のシステム化を徹底した。
店舗は技術開発を担ったNECが入居するビルに設置しており、同社グループの従業員専用となっている。決済は給与から天引きするシステムで、キャッシュレスの利便性も打ち出す。
今回の新型店舗の意義としてセブンが強調するのが、「マイクロマーケット」、小型の商圏へ展開できる点だ。企業のビルや工場内といった限られた空間しか確保できないエリアに出店するため、ITを活用した省人化が有効と判断した。
ただ古屋社長は、中国で進んでいるような無人コンビニについては、大量のカメラを設置する必要があるなど「実用化には程遠い」と指摘。「接客の時間を取れるようにイノベーションをしていくことが大事だ」と説明する。
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